むらよし農園

面白いことが書ければと。

【深夜特急に憧れて⑭】~さよならベトナム~

今週のお題「行きたい国・行った国」

久しぶりに続き書こうか。

 

murayoshinouen.com

 

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ベトナムを出よう

ベトナムに来て1週間が経った。

僕はかなりベトナムという国を好きになっていた。

マジで何食べても美味しいし、クラブではモテモテだし(ゲイに)

居心地が良すぎた。

このままでは沈没してしまうかも。

僕はベトナムを後にする決心をする。

 

 

ベトナム最後の夜

後輩の家を出てホーチミンの市街地と向かう。

色々と悩んだが、次の国はカンボジアにした。

 

バスターミナルでカンボジア行きのバスを予約する。

翌朝の早い便だ。

さて、最期の夜の寝床を探そう。

 

安いゲストハウスは何軒もある。

どこにしようか迷ってウロウロしていると、僕の前にバックパックを背負った欧米ギャル2人組がいるのに気付く。

全然下心とかなんもなく、なんとなくついていくことに(ストーカー)

 

そして、そのままフラフラと綺麗な金髪欧米ギャルが入っていったゲストハウスに吸い込まれてしまった。

 

そこはこざっぱりとしたシンプルなゲストハウスで、料金もドミトリータイプの部屋で一泊12万ドン(6ドル)。

当時の日本円で600円くらいと安い。

ラッキーだな。

 

スタッフに案内されて知ったが、まさかのミックスタイプだった。

男女混合の部屋だ。

 

 

これはなにかあるかもしれない。

 

2段ベッドが並ぶだけのオーソドックスな作り。

懐かしい

ベッドの場所を指定され、最後にシャワールームに案内された。

スタッフに促され、案内された扉を開けると・・・

 

そこにはバスタオル一枚で洗面台に向かっている金髪レディがいた。

 

 

彼女は一瞬驚いたような表情を見せたが、鏡越しにニコっと微笑みながら

 

「Sorry」

 

とだけ言った。

 

 

 

これはなにかあるかもしれない。

 

 

 

カオスな公園

もちろん何かが起きることなんてなく、ベランダの喫煙所、でフランス人の男性バックパッカーと熱いドラゴンボール談義を繰り広げているうちに夜になった。

 

飯でも行くか。

 

夜の繁華街は思っていたよりもずっと盛り上がっている。

ちょうどよさそうな店に入り、ベトナム最後の晩飯を。

 

お酒も入り、気持ちよくなりながらあたりを散歩していた。

 

するとめちゃめちゃ明るい公園が目に入ってきた。

 

入ってみると、すごい数の人がいる。

ある人はジョギングを。ある人はエアロビのようなものを。ある人は縄跳びを。

ある人は筋トレを。ある人はバドミントンを。

 

みんなが運動している。

 

真剣に、楽しそうに。

 

僕はというと、将棋のようなチェスのようなよく分からないボードゲームに興じる二人のおじさんの熱戦を眺めていた。

 

全くルールは分からないが、見ていたなんだか楽しかった。

ギャラリーは僕を含め3人。

 

僕がタバコに火をつければ他の2人も煙草を吸いだすという不思議な時間が妙に楽しかった。

 

 

まさか・・・

おじさんの熱戦を観戦していると、1人のおばあちゃんに声をかけられた。

もちろん何を言っているか分からないが、どうやらついてきてほしいということを言っている。

ニコニコとしつつも強い意思を感じた。

 

怪しいとも思ったが、面白そうだからついていってみた。

 

ついていった先には、若いベトナム人女性がいた。

 

今度こそなにかあるかもしれない

 

 

 

彼女は何も言葉は発さず、照れたような笑みを浮かべて僕を見てくる。

 

え?なにこれ?

ナンパなん?

 

お母さんかおばあちゃんを使ったナンパなの?

 

僕がドキドキしていると、おばあちゃんがしきりにある方向を指さしている。

そして、「My home」を連呼してくる。

 

え?家に招待なの?

そんな急展開なの?

 

そしておばあちゃんは僕に小さな声で耳打ちしてきた。

 

 

「80ドル80ドル」

 

 

あっそういうことですね。

はいはい。

 

80ドルがベトナムの相場で高いのか安いのかは分からない。

 

でも彼女はとても美人だった。

 

何かを期待して財布を見ると、そこには20ドルと5万ドンしか入っていなかった。

 

 

 

ありがとうベトナム。さよならべとなむ。

 

楽しかったよ。