むらよし農園

面白いことが書ければと。

【深夜特急に憧れて⑮】~カンボジア入国~

今週のお題「行きたい国・行った国」

前回はこちら↓↓

 

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バス旅再び

ベトナムでの刺激的な夜も開け、早朝から動き出す。バスは午前8時発である。

バスに乗る前にバインミーを買って食べる。最後のベトナムご飯かと思うと名残惜しい。

 

バスに乗り込む。今回もどこでどのように乗り換えて、何時に到着するとかは全く知らない。海外のバスはマジで難しいのだ。

 

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とりあえず流れに身をゆだねるしかない。

 

 

緊張の入国ビザ

乗客は予想に反して少ない。

僕のほかに欧米人バックパッカーが3人ほど。席も自由で、とりあえず一番前の席に座った。

そして走り始めて30分ほどで最初の乗り換えである。

次のバスもこじんまりとして自由席。

地元民らしき人も多く乗り込んできた。

 

そのまま国境付近まで向かう。

 

国境手前で入国ビザの申請をしないといけない。

 

 

僕はかなり緊張していた。

 

事前にネットで情報を集めていたのだが、このポイントが一番詐欺にあいやすいという。

 

いわく、バスに集金人のような人が乗ってきて、ビザ代を回収していくが、料金はかなりボッタくってくる。

 

いわく、バスから降ろされて、妙な小屋へ連れていかれ、正規の値段の倍以上の金額をボッタくられる。

 

いわく、バスから降ろされ、ビザ代を払ったのにバスに置いていかれる。

 

いわく、バスから降ろされ、なんのアナウンスも案内もなくただ放置される。

 

どれも嫌すぎるが、ただ放置されるのは不安で怖すぎる。

それだけは避けたい。

 

とうとうバスは停車し、みんなぞろぞろと降りていく。

地元民らしき人々は、誰に何を言われなくてもみんな同じ方向へ歩いていく。

 

僕と数人の外国人は、運転手に別の場所へ連れていかれる。

 

これはヤバいやつやん。例のやつやん。

 

お店のような換金所のようなとこに並ばされる。

 

僕の前の人らは皆お金を払っている。

正規の金額は20ドルだ。みんなボッタくられてないかい?

 

僕の番が来る。

 

緊張の一瞬だ。

 

 

「20ドル」

 

そっけなくそれだけ言われ、20ドルを払った。

 

手続きはあっさりと終了し、

 

僕はカンボジアへ入った。

 

 

何て席だ

拍子抜けするほどあっさりと入国できた僕は、今度は少しデカめのバスに乗る。かなりボロい。

 

そして、このバスでは席が決められていた。

 

僕の席は一番後ろの真ん中。

通路から一番前までを見渡せる嫌な席である。

 

まぁどうせすぐに乗り換えるだろう。

そう思っていたが、このバスは3時間近く走った。

 

席の横にトイレがあり、誰かがトイレに入るたびに僕は席を立たなければならない。

これがめちゃダルかったのだが、それよりももっとダルかったのは、

 

 

座席が壊れていたこと

 

 

座席のクッション部分が外れていて、パカパカしているのである。

 

非常に不安定で落ち着かないが、疲れていたので、眠ることにした。

 

眠りについて数十分。

 

ガタンという大きな音とともに、僕の体は、座席とともにバス前方へと滑り込んだ。

 

バスの急ブレーキによって座席が外れ、ソリのような感じで前へと滑っていったんだ。

 

みんなビックリしたような顔で黙って僕を見ている。

 

僕は顔から火が出るほど恥ずかしかった。僕が悪いわけではないのに、「Sorry」と小声でつぶやきながら席に戻る。

 

そしてバスを降りるまでにこれを3回も繰り返した。

 

くそったれ。

 

 

 

サービスエリアのクセ

さっきのクソバスから乗り換えてすぐにサービスエリアに着いた。

 

日本のサービスエリアと同じようには考えてはいけない。

屋台が3軒あるだけの小さな小さなもの。

 

そこで驚愕の食べ物に出会う。

少しグロいのでお気をつけて。

 

 

 

うん。

 

虫だね。

 

どう考えても食べたくはないけど、ここで食べないのはバックパッカーの名折れ。

 

とりあえず見えている3種類食べてみた。

 

手前のコオロギみたいなやつは全然食べれた。普通にサクサクしてて悪くない。

 

左奥のなんかデカイ蛹みたいなやつは、パリッとした歯ごたえの奥にちょっとぬるっとした感触が残るのが残念。あと普通に臭い。

 

 

そして右奥のゲンゴロウというかタガメみたいなやつ。

 

お前だけはもうダメだ。

絶対にダメだ。

 

二度と食べ物と名乗るな。

 

少し食レポするなら・・・

 

 

まず、硬い。噛み切りにくい上に、噛んだ瞬間にカメムシ臭が口の中で爆発する。

以上。

 

 

まさかの水上

衝撃のサービスエリア体験を終えて、またバスに乗り込む。

今度は最前列の席で、陽気なイタリア人のおばちゃんの隣だった。

よく喋るおばちゃんで、英語がとても上手だった。

 

それに、休憩のたびに僕に

「タバコ1本ちょうだい」

と言ってくるチャーミングなおばちゃん。

 

楽しく喋りながらバスに揺られていると、なぜか港のような場所でバスが停車した。

 

え?まさか船に乗り換えるの?

 

そう思っていると、バスがおもむろに動き出し

 

 

 

船に乗った。

 

 

人生初のバスごと船に乗った瞬間である。

ワイルドな移動方法

隣のマイクロバスには屋根にまで人が乗ってておもろかった。

 

やはり国が変われば移動方法も変わるんだな。

これこそ旅の醍醐味だ。

 

そんなこんなであたりもすっかり暗くなったころ、僕らはシェムリアップに到着した。

 

つづく