むらよし農園

面白いことが書ければと。

勝利至上主義者の考えるルーティン

今週のお題「マイルーティン」

 

スポーツにおいて、高いパフォーマンスを発揮するためにルーティンは重要である。

 

有名なところだと、イチロー選手のあのポーズだろうか。

 

決まったルーティンを行うことで、集中力を高め、普段通りの力を出す。

その効果を狙って、小さい子どもからプロ選手まで幅広く多くの人が実践していることだろう。

 

僕もかつて、学生だった頃。

ある競技に打ち込んでいた。

 

小さい頃から続けていたこともあり、そこそこのとこで戦っていた。

 

いっぱしにルーティンをつくり、いっちょ前に大会でも実践していた。

それなりに結果もついてきて、ルーティンは大事なんだなと思っていた。

 

しかし、自分の戦うレベルが上がり、プレッシャーがかかる場面が増えていくと、そのルーティンは重荷になってきた。

 

ルーティンをこなすことで緊張がほぐれ、普段の力が出ると冒頭で書いた。

これは裏を返すと、ルーティンが出来なかったり、不完全にしてしまうと、力が出ないということだ。

 

そういう暗示にかかってしまう。

 

結果、集中出来ず、力を出し切ることは出来ない。

 

そうなると、よりルーティンに依存していく。

より細かく、より多く。

様々なルーティンを考案していく。

 

 

大会当日の朝食はコレ。

服はコレ。

タオルはコレ。

会場に入るときの一歩目は右足から。

試合までに聞く音楽はコレ。

試合会場で飲むものはコレ。

試合めのウォーミングアップはコレ。

・・・

・・・

・・・

 

もうがんじがらめだ。

ここまでくると、『強迫』である。

 

心を落ち着けるためのルーティンが、心を縛り、余裕を失くしてしまっていた。

当然結果はついてくるわけもなく。

 

 

最終的に僕は、全てのルーティンを放棄した。

 

翌年には調子も戻り、いい結果を残すことが出来た。

あれほどあったルーティンは何一つ意識しなかった。

 

勝負事において、『勝つ』ということは最も大事なことである。

最近では、勝ちにこだわりすぎることに対し、『勝利至上主義』などと揶揄されることも多いが、勝ち負けがあることで競技の本質に触れることが出来ると僕は思っている。

 

勝ちにこだわらなければ、追い込んだ練習は出来ない。

追い込んだ練習をしなければ高いレベルにはいきつけない。

高いレベルに到達して、初めて触れることが出来るその競技の魅力や深さがある。

 

だからこそ、競技をするうえでは勝ちにこだわる必要があると僕は考える。

そう、僕は多分勝利至上主義。

 

勝ちにこだわる、勝ちを目指すということは、『負い目』を無くす作業である。

 

・練習できていない

・食事制限できていない

・遊びにいってしまっていた

・しんどいってだけで休んだことがある。

 

これらの負い目は、確実に勝利への道を難しくする。

試合前にこんなことが頭をよぎると、人間は集中できないのである。

 

僕はこのなかに、『ルーティン』というものをはめ込んでしまっていたのだ。

つまりは、ルーティンをこなしていなければ、それは『負い目』になってしまっていたんだ。

勝利には実際に関係ないルーティンでも、やらなけらばそれだけで負い目になる。

 

自分で自分に、勝つことを難しくしていた。

 

 

 

何が言いたいかというと、ルーティンの全てがいいわけではないということ。

上手に使わないといけないということ。

 

若いアスリートたちには、僕のようにルーティンに溺れ、深刻なスランプに陥ったりしないことを願う。