今週のお題「マメ」
僕の高校時代、部活の先輩にとても優しくて頼りになる人がいた。
練習では厳しいが、普段はとても気さくでお茶目な性格、後輩みんなから慕われていた。
競技に対する思いも強く、とても勉強熱心で、トレーニングの方法なんかもよく教えてもらっていた。
そんな頼れる先輩が、僕に教えてくれたいくつかの豆知識を紹介したいと思う。
僕は高校時代、練習がハードなことと食が細かったことで、体を大きくすることがなかなか出来なった。
体が出来上がらないと厳しい練習にもついていけないし、強くなれない。
食べなきゃいけない。
「食べろ」というコーチからのプレッシャーは日に日に強くなる。
分かってはいるが、キツイ練習の後に大量にご飯を食べさせられるのは本当にしんどかったんだ。
19時半に食事が始まり、食べ終わるのは3時間後なんてことはざらにあった。
だから僕は食事の時間が好きじゃなかった。
なので、体を大きくするためのサプリメントについて調べ始める。
どんなプロテインがいいのか、どんなサプリがあるのか色々調べ、そのことを先輩に相談した。
先輩は優しく話を聞いてくれて、おススメのプロテインなどを教えてくれた。
そして同時に、僕にはまだそれらは必要ないと教えてくれた。
普段の食事のなかにも体を大きくするための栄養素は十分にあるし、僕はまだ成長期だから焦る必要はない。
サプリメントに頼らずとも十分に体は作れる。
サプリやプロテインはそれからでもいいと。
僕は安易にサプリメントに逃げようとした自分を恥じ、毎日の食事に真剣に向き合うことにした。
先輩からは食事に関する二つのアドバイスをもらった。
『味噌汁は栄養豊富でタンパク質を効率よく摂取できる。残さずに最後の一滴まで飲み干すこと』
『食前や食中に水をたくさん飲むことは、胃液を薄めて消化の妨げになるし、満腹感が出やすいからやめること』
2つしか年齢は変わらないのに、なんて博識なんだ。
同じ高校生なのになんて説得力なんだ。
僕はますます先輩を尊敬し、先輩の行動を観察し、真似しようと思った。
そうして1年間先輩を観察して気付いたことがある。
先輩は食事の前に必ず水やお茶をがぶ飲みしてたし(たまにコーラ)、味噌汁はあまり好きじゃないと言って、こっそり別の後輩に食べさせていた。
言うは易く行うは難し
これを背中で見せてくれた先輩、ありがとう。
ちなみに、僕は今でも、味噌汁はスーパーフードだと思ってるし、食前食中には極力水は飲まない。
先輩が教えてくれた豆知識は、僕の血となり肉となっている。