何かをするときに、なんでも理由を探してしまう自分がいる。
スーパーで買い物中、質素な食事にしようと考えに考え抜いて食材を選んでいるとき。
ふと目に止まるビールコーナー。
フラフラと吸い寄せられ、クラフトビールを手に取って見る。
買い物かごには納豆、卵、オクラ、茄子、セロリ、豆腐、キャベツといったヘルシーで質素な食材が並んでいる。
そこにど派手なパッケージングをされたクラフトビールは馴染まない。
そっと棚にビールを戻しまたスーパー内を徘徊する。
気が付けばまたビールコーナーの前へ。
クラフトビールを手に取りじっと見る。
「今週すごい忙しかったしな」
そんな1億回は使われた理由を口に出してみる。
別に1本たかだか300円、カロリーにして350mlで約140キロカロリーくらいのもの。
何も考えずポンっとカゴに入れりゃあいい。
それを言い訳がましく理由をつけたくなってしまう。
誰に怒られることなき独身だというのに。
つまりは、全てのことに理由が欲しい生き物なのかもしれない。
ではここで、9月中に起きた自分でも説明がつかないような不可解な出来事について理由を考えてみたいと思う。
1.もう食べられなかったはずなのに
上司と二人で飲みに行き、いい感じに2軒目まで行く。
飲んでる最中も美味しいものをたくさん食べ、2軒目ではほとんど何も入らないくらいにお腹パンパンだった。
上司と別れて一人帰路につく。
気が付くと僕はラーメン屋にいた。
なかなかなボリュームのつけ麺を食していた。
それだけでなくこんなことまで、
もう食べれないと言っていた30分前の僕はどこに行ったのだろう。
もう食べれないというくらいの状態でなぜお店に入ろうと思ったのか。
理由を考えてみる。
理由:バカだから。
これでスッキリ。
ちなみに食べかけどころか、食べきる寸前の炒飯を撮ろうと思った理由については一生分からなかった。
2.さっき食べたはずなのに
とある用事を済ませて帰る21時。
帰って何か作るのも億劫だし時間も時間だ。何か食べて帰ろう。
そう思っていると目の前に煌々と光る松屋の看板。
僕は迷わずハンドルを切って入店した。
牛ビビン丼を注文して食べる。
美味しいじゃないか。
松屋やるじゃないか。
そう思いながら食べ進めて完食。
満足してお店を後にする。
家に着き、玄関のカギを開ける。
右手に何か持っていることに気付く。
何だろうか?
部屋に入り右手に持っているものを確かめる。
カツ丼をテイクアウトしていた。
牛ビビン丼を食べ終わってすぐにカツ丼を注文しテイクアウトしていたのだ。
なんなら唐揚げも買っていた。
おかしい。
さっき晩ご飯を食べたばかり。
食べたばかりというかなんというか・・・
自分でも説明がつかない現象だが理由を考えなきゃ。
理由:腹ペコだったから
これしかない。
食べてる最中にお腹が空いてしまうことはよくあるもんね。仕方ないね。
3.さっきたべたはずなのに2
不思議な現象は立て続けに起こってくる。
さっき松屋事件の翌週。
忙しく働いた20時。
僕はかつやに来ていた。
この日は期間限定の『秋の海鮮フライ』を食べに行ったのだ。
揚げ物は飲み物だと言わんばかりのハイパー揚げ物丼だったわけだが、美味しく完食した。
かつやに行ったことある人なら分かると思うが、基本的にかつやはボリュームが結構ある。
普通に一人前食べたらそこそこにお腹は張る。
なのに。
なのに・・・
気が付けばモスバーガーのドライブスルーに迷い込んでいた。
注文したのはこれだ。
そう。月見フォカッチャである。
数ある月見バーガーのなかでも群を抜いて美味しいと思ってるこの商品。
食べたいとは思っていたが、何もお腹いっぱいのときに食べる必要ないじゃないか。
なぜ僕はこんなことをしたんだろう。
やっぱり理由はあった。
理由:中秋の名月だから
その日は中秋の名月だったんだ。
中秋の名月に月見フォカッチャ食べないなんて野暮な選択肢は僕にはない。
僕は風流な男なのだ。
「じゃあかつや行かずにフォカッチャだけ食ってろデブ!」
という正論も聞こえてきそうだが、
「フォカッチャだけでお腹いっぱいなるわけないだろコノヤロー!」
という正論で返しておこう。
いかがだっただろうか?(何が?)
全てのことに理由が欲しいと言ったが、理由なく行動しても後から理由なんていくらでもつけれるのだ。
うじうじ理由を考える前に本能のままに行動してほしい。
フォカッチャの後に、実はチキンバーガーまで食べていた理由欲しがりおじさんからの助言でした。