むらよし農園

面白いことが書ければと。

恐さを知ることの大事さ

今年からサーフィンを始めた。

 

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まだ2回しか行ってないのに完全にハマった。

今までやってこなかったことを後悔するくらいには楽しい。

 

夏の間は毎日くらいやりたいと思えるほど。

 

しかし、仕事も忙しくなかなか思う通りには行けない。

そんな忙しい合間をぬって、先週末に3度目のサーフィンへと出かけた。

 

その日はちょうど台風13号が奄美大島に接近しており、その影響で高知も天気が崩れていた。

サーフィンに行く3日前に、サーフィンに誘ってくれた後輩が

「天気悪そうですけど大丈夫ですか?」

と聞いてきた。

 

僕は特に何も気にせずに、「どうせ海の中に入るんだし雨が降ってても大丈夫っしょ」と能天気に答えた。

 

「台風の影響で結構うねりが届いて波も高いと思うんで、今回は○○でやりましょう」

と言われて会話を終えた。

 

奄美に来ている台風の影響で高知にもそのうねりは届いているらしく、普段波の立つサーフスポットは波が高くなり過ぎてしまう。

そのため、普段は波が穏やかな場所が絶好のサーフスポットとなるんだそうだ。

 

僕はワクワクしながらその話を聞いていた。

次のサーフィンはいつもより高い波に乗れるんだな。ユーチューブで見てたような波に挑めるのは楽しみだな。

 

そんなくらいに考えていた。

 

 

当日4時半に家を出てビーチへと向かう。

 

天気は確かに降ったり止んだりだが、特に風が吹いてるわけでもないし台風の影響は全く感じられない。

 

僕はなんだか拍子抜けした気持ちで到着までの1時間半をダラダラとしていた。

 

ビーチに到着して車を降りる。

そこで初めて違和感に気付く。

 

海は見えないが、波の音が聞こえてくる。

いつもなら聞こえることはない。

 

それも、『ザザーザザー』みたいな普通の波音ではない。

 

 

 

『どーーーーーーーーーんっ!!!!』

 

『ぐゎしゃーーーーーーーん!!!』

 

 

というなかなかの轟音である。

 

少し不安になり、急いでビーチに向かう。

 

そこで目に飛び込んできたのは、これまで見たことないような海だった。

 

海全体が真っ白になるほど白波が立ち、高く大きな波が短い間隔でどんどんやってくる。

 

その様子と音で、波の持つパワーの大きさが分かるほど。

 

こりゃ今日は無理かな。

 

率直にそう思った。

ていうかシンプルに恐くなった。

 

しかし、海にはサーファーたちの姿がチラホラ。

なんて頭のおかしい生き物なんだ。

こんな日にやるなんてバカだろ。

 

しかし、僕の同行2人もやる気満々である。

バカだろ。

 

僕もとりあえず着替えて準備をした。

 

内心ビビっていたが、そう悟られたくはないので顔には出さずクールに準備を進める。

まぁみんないるし大丈夫なんだろう。

そんな風に考えた。

 

いよいよ海に入る。

 

波のパワーは思っていた以上に強く、沖に出ようにも思うようにいかない。

少し進んでは戻され、少し進んではもみくちゃにされる。

何度目かのトライで沖に出れかけたタイミングで、その日一番の大波に飲み込まれ、海の中をぐるぐるに回りながら岸の方に戻されたときは心が折れかけた。

 

そうこうしながらやっとの思いで沖に出て波待ちをする。

 

いつもならいい波が来るのを首を長くして待っているが、今回は違った。

 

デカい波が来てはその波をどうやってやり過ごそうかを考えてしまう。

波に乗ることよりも、波をやり過ごして安全に波待ちを続けることだけしか考えれなかった。

 

 

 

そのくらい恐かった。

 

 

 

最終的には覚悟を決めて何度かトライして、無事に乗ることも出来たわけだが、自分の考えの甘さを痛感した。

 

自然を相手にするサーフィンに危険はつきものであり、甘い気持ちで臨むものではない。

 

「楽しむ」という気持ちと同じくらい「恐い」という感覚は持たなければならない。

 

恐れを無くしてしまうと人間は緊張感を失う。

 

それを思い知らされた。

 

目の前に巨大な波が迫り、どうやっても逃げ場もなく受け止めるしかないというあの瞬間。

 

あの瞬間の、「死ぬかもしれない」という感覚は忘れてはいけない。

 

 

そう思えた3度目のサーフィン。

 

行ってよかった。

僕はもっと上手になる。