朝起きて枕もとを確認したが、プレゼントは置かれていなかった。
悲しいが仕方ない。
自分で買いに行こう。
せっかくなのでクリスマスプレゼントについての話でも。
先日の『マツコの知らない世界』で、絵本が取り上げられていた。
僕は昔から絵本が大好きで、保育園、幼稚園の頃に、外で遊ぶ子たちを尻目に、中で黙々と絵本を読んでいる子だった。
そして、母親も絵本が大好きだった。
元々保育士だったこともあり、家にもたくさん絵本があった。
家にある絵本は全て読んでいたし、高校生大学生になってからも、図書館などで絵本を読む機会は多かった。
そんな僕の、社会人になって最初の冬の話。
僕は初めての冬のボーナスに浮かれていた。
懐も暖かいので、僕は両親になにかクリスマスプレゼントでも送ろうと考えた。
今でこそ、誕生日やクリスマスには現金を送るというつまらない人間になってしまったのだが、昔は割と色々考えて贈っていた。
この時は、父にはちょっと上等なお酒かなんかを送ったと思う。
母は酒が飲めないので、何か違うものをと考え、絵本を送ろうと思ったのだ。
少し洒落たプレゼントになるなと自分でも思った。
今にして思えばキザったくて変だが。
いろいろ探し、僕が大人になってから好きになった絵本を3冊ほどチョイスして母親に贈った。
贈ってから数日して、父親から連絡が来た。
「今年のクリスマスプレゼントはなかなかイカしてたぞ。母さんも喜んでた。」
なかなかの好感触である。
そして母親からも連絡が。
「とても素敵なプレゼントありがとう。」
僕はとてもほっこりとした気持ちになり、聞いてみた。
「今回の絵本は、結構自信あるやつだよ。読んだことあるやつあった?」
母親は笑いながらこう言った。
「ん~読んだことあるっていうか、全部家にあるよ。」
そう。
僕は小さい頃から読んでいた絵本をプレゼントとして送ったのだ。
まぁなんだ。
小さい頃から絵本の趣味が変わらないってのは素敵やん?
三つ子の魂百までってか?
やかましいわ。