前回の話はこれ↓↓
30連勤の代償
稼いでは使い、稼いでは飲まれていた僕のお金。
貯金も少しずつしか増えないことに、不安がよぎり始める。
このままだと旅に行けないんじゃないか。
もっともっと働かないといけないんじゃないか。
普通に考えれば、酒やギャンブルなどの支出を減らせばいいだけなのだが、その時の僕はそこには頭が回らない。
シフトを増やし、日雇いのバイトを増やすという選択に出た。
世間は夏休みに入ろうかというタイミングで僕はバイトの鬼になることに決めた。
毎日必ず何らかのバイトが入っているので、休みなんて全くない。
当時やっていたバイトは
・居酒屋
・美術館（短期）
・水質試験場
・催し物の準備、撤去（短期）
・イベントスタッフ（日雇い）
こんな感じ。
朝から夕方まで美術館の受付をして、夕方から深夜まで居酒屋というような日もざらにあった。
そんな日々が続き、連勤は30日を超えた。
いつものように、美術館終わりに居酒屋へ向かう。
途中のコンビニで、モンスターエナジーを買い、タバコを吸う。
バイト行きたくないな～と思っていると、不意に吐き気が襲ってきた。
急いでトイレに駆け込み嘔吐する。
目の前がぐるぐるしてる。
なんとかお水を買って外に出た。
コンビニの喫煙所に座り込んで息を整える。
腹痛でもない、二日酔いでもない、それなのに嘔吐する。
これは案外ヤバいんじゃないかと思った。
「こんな生活してたら海を渡る前に三途の川を渡りそうだな」
そんな上手いような上手くないようなことをぼんやりと考えていた。
目標を立ててみる
それからというもの、少しずつ単発のバイトは減らしていき、休みを入れるようにした。
そして、空いた時間に旅の計画というか、目標のようなものを考えることに。
出発地はどうしようか、ゴールはどこだろうか？
期間は？お金は？
宿はどうする？移動方法は？
予防接種や保険の関係はどうすれば・
考えることは山ほどあるのだ。
まずは、今の生活にも直結する問題である、いくら貯めようかという目標から考えることに。
そうすると、おのずと期間や目的地も見えてきそうだと思ったのだ。
今の貯金額や、来年帰ってこないといけない時期などをリアルに考えた結果・・・
目標金額は最低30万円
滞在は最長で3か月
にすることにした。
ホントはもっと長く行きたかったが、それはこの半年全くお金を貯めれなかった自分の落ち度。
仕方ない。
そして冬までには出発しようと決めた。
潤沢な資金が貯まるまで・・・
入念な準備の末に、しっかりと荷物の用意や旅のプランが固まるまで・・・
そんなこと言っていたら旅になんか出れないのだ。
行く日だけ決めて、その日までに出来る準備で飛び出せばいい。
そう考えたらなんだか気が楽になっていった。
何が必要？
明確な目標も出来たので、旅に必要なものを考えていく。
その際にたくさんのブログを読んだ。
ブログ村の世界一周系のブログの中でも人気の人たちのブログを片っ端から。
以前にも2週間程度の滞在は2回ほどしたことはあったので、その時から沢山読んでいた。
ホントにホントに面白いブログが多かったな。
・神林一馬の世界一周
・鍋は人生の縮図である
・恋する咲ログ
などなど・・・
めちゃめちゃ揺さぶられたし、めちゃめちゃ羨ましかったし、旅というものを教えてもらった。
彼らは長期間での世界一周なので、僕とは少し違うが、とても参考になった。
色々考えた結果、あまり何も持っていかないことにした。
最初は、パソコンやデジカメやらなんやら持っていくつもりだったが、ほぼ何も持たずに行くことにした。
理由は重いから。
それに、ブログを読むことは大好きだったが、自分で書くという考えは皆無だったので、何もいらないだろうと。
今にして思えば非常にもったいないことである。
なんにせよ、重装備とは程遠い荷物で行くことに。
海外旅の参考にはならないだろうから紹介はしないが、遠足程度の装備だと思ってください。
何しに行くんだろう
色々持っていくものを考えたり、資金を考えたり、ルートを考えたりするうちに気付く。
きっとセレブな旅は不可能だ。
貧乏で汚い旅になる。
飛行機も極力使わないようにし、陸路での移動がメインとなるのも覚悟しなきゃ。
僕は漠然と、海外に旅がしたいとだけ考えていた。
そこに、何の目的も狙いもなかった。
面白いブロガーさんにはそういう目的やコンセプトがしっかりとしていたので、僕も何か探さないとと思っていた。
しかし、僕にはなかなか見つけることが出来なかった。
世界一周するわけでもない。
誰かに会いに行くわけでもない。
何かを見に行くわけでもない。
じゃあ僕は何しに行くんだろう。
それを決めないと旅に出る意味がない。
考え抜いた末に・・・
どんなに貧乏な旅でもいい。やりたいことが出来なくてもいい。
向こうの人の暮らしを目に焼き付けよう。
向こうで食べた味を、見た景色を、嗅いだ匂いを。
全て自分に焼き付けて帰ろう。
僕に出来ることはそれくらいだ。
そして最初に向かうとこは始めから決まっている。
深夜特急と同じ『香港』だ。
香港から行けるとこまで行ってみよう。
そう決めた日からは仕事も楽しくできたし、無駄な時間を過ごすことも少しだけ減った。
相変わらずお金の貯まるペースは遅いが、少しずつ出発の準備が整ってくる。
旅が急激に現実味を帯びてくる。
出発まであと2週間。
つづく
