むらよし農園

面白いことが書ければと。

【深夜特急に憧れて⑥】~香港からの移動~

前回の話はこれ↓↓

 

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香港の食

 

 

ラッキーハウスで数日ゆったりと過ごした。

一緒に泊まっていた人たちとも仲良くなり、一緒にご飯食べたり飲みに行ったりした。

こんな感じの店が多い

香港の味にもすっかり慣れてきて、マックに入るようなこともなくなった。

本場の飲茶を食べに行ったり、ちょっと高級な店に入ったり。

少しアンダーグラウンドな香りのするエリアでディープな地元飯を食ったり。

 

香港の食を満喫した僕が選ぶ、最も美味しかったのがこれだ。

吉野家

吉野家の照り焼き丼的なやつ。

 

めちゃめちゃ美味しかったな。

日本食最高。

 

 

どっち行こうかな

 

香港からそろそろ移動しようかと考える。

このまま香港にいるとマカオとかいっちゃいそうだし、地味に物価高いからお金も減る。

よし出よう。

 

問題はどこに行くかだ。

 

とりあえず一度中国に入らないとどこにも行けないわけだが、中国は広い。

中国の次の国を考えないと、無計画では大怪我をする。

海沿いを上がっていき、韓国を目指すか、反対に上がり、ベトナム方面か。

 

悩みに悩んで僕は中国からベトナムに向かうことを決めた。

 

 

 

俺も行こうかな

 

中国の南寧行きのバスをとるためにチケットセンター的なとこへ行く。

店員さんが英語が話せるため、割とスムーズにチケットをとることが出来た。

 

ただ、細かい説明はいまいち聞き取れなかったので、どんな風にどんなルートで行くとかは分からなかった。

 

宿に戻り、みんなに報告する。

宿に泊まってる人たちの旅スタイルはそれぞれ違う。

 

香港観光に来ている人。

旅を終えて、日本に帰る前に香港に立ち寄っている人。

中国と香港を行ったり来たりしてる人。

 

それから、僕のように、これから旅に出る人。

 

僕ともう一人、タッチーさんがまさにこれから旅立つ人だった。

 

僕が中国の南寧に行って、そのあとベトナムに向かうという話をしているときのこと。

その輪の中にいたタッチーさんがボソッと

 

「俺も行こうかな」

 

と言った。

 

「出発はいつ?」

 

「明日行こうかなと」

 

「チケットとった?」

 

「はい。」

 

「そっかーじゃあ俺も明日一緒にいこっと」

 

こうしてタッチーさんも、翌日一緒に出発することになった。

 

 

旅はこんなノリ

 

僕は驚いていた。

タッチーさんと一緒に中国に行けるのは心強かったしうれしかった。

しかし、外国から外国へと向かう旅の行き先を、

 

「え?コンビニ行くん?なら俺も行くわ」

 

的なノリで決めれてしまうことに驚きを隠せなかった。

 

世界一周を終えて、ラッキーハウスにいたガンジーさんが言うには、結構そんなもんらしい。

そしてこのノリは、僕もこの後の旅で何度も経験することになる。

 

 

 

バスセンターから香港出発

 

香港出発の朝、荷物を準備し、宿を出る。

仲良くなった数人が外まで見送りに来てくれた。

それがすごくうれしくて、旅をしてるなぁと実感した。

 

タッチーさんとバスセンターに向かう。

出発の2時間半前に着いた。

何が起こるか分からないので、全ての行動は早め早めがいい。

バスセンターは割と大きくて、日本のものとあまり変わらない。

バスセンターのすぐ裏がサッカー場になっており、草サッカー的な試合が行われていたので、それを二人で観戦した。

聞こえてくる言語の意味は分からないし、知ってる人は一人もいなくても面白いんだからサッカーって競技はすごいと思った。

出発の30分前になる。

チケットを見せて、乗り場を確認したり、どんなルートで行くのかなどを聞いたりした。ここのバスセンターの人は英語が得意ではなく、英語3割、ボディランゲージ7割くらいの会話になる。

 

そしてそのときに衝撃的なことを聞かされる。

 

 

 

南寧に行けない?

 

僕らがとっているチケットは、南寧行きなのは間違いなかった。

めちゃめちゃ遠い

 

しかし、南寧に行くまでに、何度も何度も乗り換えないといけないらしい。

日本の高速バスのように、乗ったら目的地までそのバスで行けるものと思っていたので、一気に旅の難易度が上がった気がした。

そしてその乗り換え方法や、乗り換え場所については何度も聞き直したが、10%も理解出来なかった。

 

とりあえず分かったのは、香港を出るタイミングで乗り換えて、『深圳』という都市までは行けるということ。

そこで、長めの休憩があるからその時にもう一回バスセンターの人に聞けばなんとかなるっぽいということ。

 

どうなるかは全く予想できなかったが、とりあえず行ってみることにした。

 

一人だったら不安で仕方なかったと思うが、僕にはタッチーさんという仲間が出来ていた。

不安どころか、むしろワクワクしていた。

 

僕はタッチーさんに奢ってもらったパン(草サッカーの勝敗予想を当てたから)をかじりながらバスに乗り込んだ。

 

思っていたよりもきれいで広い。

 

これなら深圳まで快適に行けそうだ。

 

僕はこのときまだ、中国の旅をなめていた。

中国はそんなに甘くはない。

 

つづく