健康診断に行ってきた。
この日のために体の調子を整えるのも変な話で、ありのままの自分の体を見てもらうのが一番だと思う。
なのに人間は変な生き物なので、この日のためにせっせと体調を整え、体重を落とそうとする。
もちろん僕もその一人。
そんな短期間に人間の体は大きくは変わらないのに。
無事健診を終え、特に大きな異常もなく安心した。
まぁ本格的な結果は数週間先だが、体重が落ちていただけで安堵するのは誰も同じだろう。
職場の何人もが同じ日に健診を受ける。
僕らの会社だけでなく、他にも団体で来てるところもあり、なかなかの盛況ぶりだ。
みんなどこか浮ついたような緊張したようななんとも言えない面持ち。
少なからずみんな自分の体の健康状態は気になるところだろう。
しかし僕は思う。
なぜ『心の健康診断』はないのか。
働く社会人にとって、年に1回の健康診断は必須であり、必ず受けさせられる。
僕もそうだが、自分の健康状態への関心は高く、みんな当たり前に受けている。
だが、考えてみてほしい。
このストレスフルな社会において、異常が現れるのは身体だけだろうか。
メンタルの部分からやられていく人だって多くいるのではないだろうか。
新型コロナの感染の拡大に伴い、心療内科を受診する人が増加しているらしい。
また、『うつ病』により休職する人や、アルコール依存症により普段通りの生活が出来なくなる人も大幅に増加しているそうだ。
実際、僕の知り合いもメンタルに不安を抱えて、病院に通い始めた者や仕事をやめてしまったものもいる。
そういった状態になることを防ぐというのは正直難しいように思う。
これだけ不安定な社会ではある意味仕方ない。
だが、早めに気付いてあげる仕組みは作れないものか。
はたから見て、異常に気付いても本人にどう伝えてもいいか分からないし、素人がそれを指摘したところでとりあってもくれない。なんなら喧嘩になってしまう可能性や、相手を大きく傷つけることにもなりかねない。
だからこそ、年に1回でもいいから心の健康診断があればなぁと思う。
全員必ず受けるような態勢にするのかするのか、希望者のみにするのか、どのような診察をするのかといった細かい案は全くない。
どうやればいいか分からない。
ただ、あればいいなと思っただけの話。
僕自身が現在メンタルを病んでることもないし、深刻なストレスを抱えてるわけでもない。
だが、これからどうなるかなんて分からない。
スポーツマンで社会性があり、お酒が好きで、運動好きで、仕事が出来る人気者だった先輩が、メンタルを病んで仕事をやめた。
酒もたばこもギャンブルもやらずに、家庭を大事にし、真面目に仕事に打ち込んでいた同級生は、ある日誰にも何も言わずにいなくなってしまった。
そんな事実をいくつも見ている。
日本の自殺率がどうとかそんな難しい話は置いておいて、心の健康を害する可能性は誰にだって同じようにある。
そんな状態の国だ。
日本は今そんな感じ。
『酒も煙草も女もやらずに百まで生きた馬鹿がいる』という都々逸がある。
健康ってなんだろうってあらためて思うよね。
酒も煙草も女もやって百まで生きたいよね。
ガラにもなくなんだか難しい話をしてしまったので、健康診断が終わり、タガが外れた僕の夕食を最後にお別れしましょう。
みなさんもくれぐれも健康にはお気を付けください。