むらよし農園

面白いことが書ければと。

街はずれの超名店 高知市『かんざし』は一度は行くべき

酒飲みの国ここ土佐。

 

数多くの飲み屋がひしめいている。

 

観光に訪れた県外客は、ネットで美味しいお店を探すことだろう。

しかし、残念ながら本当に美味い店はネットではあまりヒットしない。

 

そして本当に美味い店は、感度の高いグルメ達に占領され、予約もままならない状態である。

 

なのでほとんどの観光客は、ひろめ市場や安兵衛といった有名なところに行くだけになってしまう。

 

そこで今回は、街外れにある知る人ぞ知る名店を紹介しよう。

 

その名も『かんざし』

 

升形商店街を抜けたところにひっそりとたたずむ店である。

 

繁華街から離れ、随分と辺鄙なところにありながら、予約が取れない人気店となっている。

外観から只者ではないオーラを放ち、初めて訪れた時は緊張した。

古民家的な内装はセンスに溢れ、居心地の良い空間になっている。

独特の形のカウンターがいい味を出している。

ちゃきちゃきとした高知らしい女将さんと、笑顔の素敵なご主人の二人で切り盛りしているこの店。

 

とにかく何を頼んでも美味しい。

カウンターに置かれている大皿には、その日のおススメの食材が山盛りになっている。

訪れた日は夏の盛りの8月の頭だったので、夏野菜が盛られていた。

旬であることと新鮮さが、一目で分かるほどの色艶と大きさである。

この野菜を、女将さんのおススメの調理法で出してくれるし、客の好みに合わせて作ってもくれる。

まずは女将さんおススメのトマトをオーダー。

高知は実はトマトが美味しいところである。

そしてその代名詞はいわゆる『フルーツトマト』だ。

皮が厚めでシャキッとした歯ごたえがあり、糖度が高く味の濃いのが特徴だ。

無論べらぼうに美味いのである。

しかし、この日のトマトはごくごく普通のトマト。

だが、滅法美味しいトマトだった。トマトの持つ力が前面に押し出された、まさに旬を感じる味。

 

この店、出来る。

 

続いては刺身の盛り合わせが届く。

 

 

優勝である。

 

まずお皿が美しい。

そこに盛られた各種刺身は、どれも角がピンと立ち、佇まいが洒落ていた。

味は無論言うことなし。

魚にうるさい高知県人が認めてるんだ。

きっと誰が食べても美味しいことだろう。

 

ここで、またもカウンターの野菜から、バチバチに目立ってた椎茸と茄子を。

両方ともおススメに料理してもらう。

まずは椎茸。

お洒落かよ。

思ってたのとは全然違うモダンな料理で驚いたが、めちゃめちゃ美味しかった。

椎茸の味がしっかりと強くて、オリーブオイルとの相性もバツグンだった。

 

お次に茄子。

サクサクに素揚げされた茄子にトロトロの餡が。

完璧。

パーフェクト茄子料理。

今日一番美味しかったと言っても過言ではない。

どうやったらこんなに優しくて深い出汁がとれるのか。

この餡を作ることが出来たら、この餡一本でなんらかのお店を開きたいと思うくらい美味しかった。

 

旬の野菜の扱いに長けたこの店の実力は十二分に分かった。

だが、最後の最後にこの店一番の名物というか、おススメを紹介したい。

 

まさかの牛カツである。
特に言うことはない。

 

だが、この店に来たならば絶対に頼むことを強くおススメする。

食べればわかるから。

 

正直、値段は安くない。

日本酒などを結構飲んだってのもあるが、3人で25000円程。

高知では高い部類に入るかも。

 

だが、全ての料理がハイレベルで独創性があって美味い。

素材は高知県の地の物が味わえるし、地酒も豊富だ。

 

何より接客も気持ちよく、店の雰囲気がいいので楽しい時間が過ごせる。

 

県外から来ることがあれば、ぜひ行ってみてほしい。

 

なお、週末に飛び込みで入れたことはほとんどないので、予約することを強くすすめたい。

『かんざし』

高知県高知市越前町1丁目1-9

定休日:日曜日

営業時間:18時~23時(月水は22時)