今年の4月、僕の愛車であるBianchi(ビアンキ)のクロスバイクが壊れた。
どこが壊れたのかというと、
ブレーキとギアとタイヤである。
自転車として必要なものすべてと言ってもいい。
もう限界だったんだ。
約12年間、ホントによく頑張ってくれた。
今から約12年前。
このBianchiを買ったのは、高知市入明にある小さな小さな自転車屋さん。
こんな小さな自転車屋さんにビアンキが並んでいるのが不思議だった。
その中に後の僕の愛車となるBianchiの『カメレオンテ2』は置いてあった。
チャリを盗られたばかりで傷心状態。
それに一刻も早く移動手段をゲットしないといけないと焦っていた僕にはカメレオンテは輝いて見えた。
当時、クソ貧乏学生フリーターだった僕には結構な高額な自転車だった(確か8万から9万くらい)。
しかし諦めきれずに悩みに悩んでいた。
そもそも悩むも何も、払えるお金は無かったので悩む余地もなかったのだが。
そんな僕を見かねて、お店のおばちゃんがローンを組んでくれた。
確か6回払い。
普通、小さな町の自転車屋さんではそんなことしてくれない。
僕のビアンキ愛が伝わったのか、おばちゃんは嬉しそうに僕に自転車を売ってくれた。
それからというもの、僕は毎日毎日ビアンキに乗り続けた。
日々のアルバイト、学校、パチンコ屋。
全てをこのビアンキで行っていた。
たまのパンク修理やメンテナンスは全て買ったお店に持っていっていた。
そのたびにおばちゃんはジュースやら野菜やらいろんなものをくれる。まるで僕のことを孫かのようにかわいがってくれたんだ。
そんなこんなで12年。
僕を運び続けてくれたビアンキはとうとう寿命を迎えた。
フレーム以外ほとんどが壊れている。
フレームだってホントはダメかもしれない。
よくやってくれたよ。
花粉のシーズンが完全に終わった5月から、新しい自転車を買おうと色々探していた。
もちろんビアンキがよかった。
次はロードバイクにしようと思っていた。
しかし、僕の行きつけの自転車屋ではもうビアンキの取り扱いをやめていた。
理由は、どんどん値上がりしていき、買ってくれる人が少なくなったからというもの。
大手のスポーツショップや、ロードバイクの専門店とかではない町の自転車屋さんにはビアンキの需要はあまりなかったらしい。
僕は迷わなかった。
たとえビアンキがあろうとなかろうとこの自転車屋さんで買うと決めていたから。
おばちゃんはしばらく見ないうちにおばあちゃんになっていた。
お店に置いてある自転車で一番高いやつをチョイスして、試乗してサイズ感を確かめてすぐに決めた。
「これにします」
選んだのはブリジストンのクロスバイク。
特に特徴的ということもない普通の自転車だ。
価格は70000円ちょっと。
今度は一括で買った。
12年間の成長を見せることが出来たかな。
壊れるまで乗り回そう。
よろしく、新しい相棒。
そしてこれまでありがとう、Bianchi。