僕が旅に出る理由はだいたい100個くらいあって・・・
まぁそんなないんだけど。
旅に出たいな。
遠くまでいく旅じゃなくていい。近くてもいい。
わくわくする気持ちを持って、いつもと違う場所へ、いつもと違う手段で。
これだけでもう旅なのだ。
今朝久しぶりに快晴だった。職場までは自転車通勤。
めっちゃ気持ちがよかった。
このままどこか遠くへ行きたいな。
そんな気持ちが湧いてきた。
そう思ったら急に心が湧きたってくる。自転車で遠出をしてみようか。
行けるとこまで行って、その地でディープな飲み屋に入り、そのまま一泊なんてロマンがあるじゃないか。
僕は『Bianchi』のクロスバイクに乗っている。
でも旅するなら旅用の自転車が欲しいな。
そう思いながらネットで見ているだけで楽しくなってくる。
小学生の頃、自分たちの町から山ひとつ離れた隣の集落まで、初めて自転車で行こうという話になり、友人と3人で出かけた。
距離にすれば7キロくらいのものなのだが、小2の僕らには大冒険だった。
リュックにわさビーフを一つだけ忍ばせて待ち合わせ場所へ。
出発前に、「途中で体力回復のためにこれを食べよう」とドヤ顔でわさビーフを見せる。
友人二人も、それぞれかっぱえびせんとピザポテトを持って来ていた。
同じことを考えていたことにうれしくなった。
このときのなんとも言えない高揚感を覚えている。
山を越えると言っても、きれいに舗装されて、勾配もキツくないのですんなりと隣の集落へつく。
特にやることもないので駄菓子屋でポテトチップス九州醤油味を買って帰った。
滞在時間は30分ほど。
帰りの坂道で友人がなんともアクロバティックなコケ方をしてしまい、膝から大量出血したのも、その痛みが引くまで近くのベンチで、泣きじゃくる友人とわさビーフ食べたのもいい思い出だ。
友人を励ましながら、帰り道をいく。
自分たちの街までもう少しという頃には、辺りは暗くなっていた。
強烈に寂しくなり、早く家に帰りたい気持ちが溢れてくる。
友人はまだ半べそで自転車を押している。
こっちまで泣きたくなってきた。
泣くのを堪えて坂道を登り切り、眼下にひろがる我が町を見た時は心底ほっとして、また泣きそうになったのを覚えている。
ほとんど会話もないまま残りの道を進み、家に帰りついた僕は、初めての冒険に疲れ果ててしまい、夕飯の前に夢の中へと旅立っていった。
あのときの気持ちを僕はまだ忘れていない。
行く前のドキドキ、道中の高揚感、帰ってからの疲労感。
あれがまた味わいたいな。
夏休みには一泊のチャリ旅を計画しよう。
それまでに少しずつチャリで遠出する練習もしていかなければいけない。
なんだか少し楽しみになってきた。
この気持ちを大事に育てながら夏までの仕事を乗り切ろう。
まだまだ少年のハートを忘れてないよ。
33歳だけど。