先日のこと、ひどく暑い日。
僕は天山へと向かっていた。
初めて行った日からドはまりして、何度か通ったこの天山。
これまで食べたいくつかのメニューのなかでも、最初に食べたこの天津飯が今のところ1位。
他のメニューも十分に美味しいが、この天津飯を超えるものはなかった。
やっぱりこの店の頂点はこいつなのかなと思っていた。
でもまだまだ色んなメニューあるしとりあえず食べてないやつ頼もう。
さぁ入店だ。
この日も満員御礼。
クソ暑い夏の日差しのなか、熱い中華をランチにしようなんて輩は100%おじさんだ。
そんなおじさんの熱気ムンムンの店内。
エアコンはフルパワーで稼働していた。
エアコンがガンガンの町中華は美味いんだぜ。
上手そうな匂いが充満している。
コンディションは上々。めっちゃ食える。
よし。今日はこれいこう。
この暑い夏にぴったりのこいつだ。
期間限定らしいこの一杯。
何とも美味しそうなビジュアルだ。
いただきます。
まずはスープから。
こっこれは・・・
ぬるい。
冷やしというにはあまりにも常温すぎるスープ。
ぬるいは言い過ぎかもしれないが、もっとキンキンを期待していたのでとてもぬるく感じて笑ってしまった。
しかし味はバツグンに美味しい。
粘度のあるこってりな感じに見えるが、全然違う。
意外にもスープ自体は透きとおっていてあっさりしてる。
そこに表面に浮いている辣油や唐辛子がアクセントになり、止まらなくなる美味しさだ。トッピングの鶏も、あっさりと茹であげられた胸肉がドンピシャ。
ぬるいとか言ってすいませんでした。めっちゃ旨かったです。
スープ3分の2くらい飲んでしまった。
そのくらい美味しい。
はー美味しかった。
また来よう。
じゃないのよ。
今回はこれプラスもう一品いってますねん。
それが天津飯の牙城を崩すとんでもないメニューだったんだ。
それがこいつ。
『豚丼』である。
この見た目、インパクトしかない。
全世界の誰もが想像する豚丼とは全く違う。
豚丼と注文してこれが来たら「あれ?間違えた?」となることだろう。
だがネーミングはさておき、とにかくそそるビジュアルと香り。
この店のいい匂いはこの豚丼の匂いなんじゃないか?
世の中の美味しそう成分を集めたような香りに、中華のクセが加わりなんとも言えない食欲大増強な匂いだ。
以前先輩が頼んでいて、密かに狙っていたこの豚丼。
豚肉、キャベツ、しめじ、ニラ
これだけのシンプルなメンバーである。
さっそくレンゲでがっつり頬張ってみる。
美味い。いや旨い。
この見た目から想像できる味があるでしょ?
それよりもう3割増しくらいには美味しい。
シャキシャキの野菜と噛み応えのある肉は、ガツンと濃い味付けながらも、無限に食べられそうなキャッチ―な仕上がりになっている。
世の中の人の胃袋の大きさは分からないが、みんな大盛り頼んだ方がいいと思う。
そして食べ方は、レンゲをカチャカチャと音を立てながら、わしわしかき込むのが正解である。
ものの数分で完食してしまった。
熱い中華スープを飲み干せば、そこには満足の二文字しか浮かばない。
またヤバいやつを食ってしまった。
天津飯を超えたかもしれない。
まぁホントにヤバいのは一人で2品も食べる僕のわんぱくな食欲なんだけどね。
この店に初めて来た日から、壁に貼ってあるメニュー全部食おうと思ってた。
きっと何喰っても美味い。そんな雰囲気のあるこの店で一番うまいものを探そう。そう思った。
だが、もうその旅も終わってしまうかもしれない。
そのくらいイケてた。
次来ても言ってしまいそうである。
「豚丼大盛りで」