6時には起床し、オートミールとスープの簡単な朝食を済ませて会社へ。
寒いから休みますなんて言えないこんな世の中じゃ。
仕事はぼちぼち。
懐かしい顔もちらほら見ることが出来た。
特に忙しいということもなく無事に18時には終了。
花金である。
しかしまん防でもある。
なんともやるせないものだ。
それでも後輩が「家で軽くやりませんか?」と誘ってくれた。
野暮用を済ませて20時過ぎにお邪魔する。
たこ焼きパーティの始まりだ。
平均年齢32歳。男オンリーでのタコ焼きパーティは法に触れるのではないかと冷や冷やしたが、ギリギリ合法だった。ただ寂しいだけで。
今週のお題「冬のスポーツ」
カーリングの準決勝を見ながら飲む。
これ勝てるんじゃね?
あれ?このままいけば・・・
あっ勝った。
まさかまさかの決勝進出に盛り上がるおじさん達。酒も進む進む。
冬のスポーツの話になる。
僕の地元は南の島だ。
もちろん雪など降ったことがない。
冬のスポーツというものに触れることも当然ない。
しかし小学生のころ、冬が来ると毎シーズンやっていた男の戦いがある。
それは、
「長袖我慢大会」である。
これは読んで字のごとく、長袖を学校に着ていくのを我慢する大会のことである。
いくら南の島とはいえ、寒い日は気温が一桁になることもある。
それに学校には暖房などもない。
そんな過酷ななか、半袖半ズボンで過ごすのだ。
僕らはこの戦いの敗者に寒中水泳という罰ゲームをつけて争っていた。
そう。
すごくバカだったのである。
12月くらいまでは正直余裕だ。
実際この間帰省した時も昼間は半袖でも過ごせた。
戦いが激化してくるのは1月中盤から。
確実に半袖では厳しい気温になってくる。
寒風に歯を食いしばりながらの登校が続く。
なかなかみんな粘る。
勝負は2月に突入する。
ここまでくるともう意地と意地のぶつかり合いだが、学校でも先生たちが僕らの戦いを見守り始める。(保健室の先生だけは、そんなことして風邪ひいたりしたらぶっ○すぞとガチギレしてたけど)
そしてこの冬一番の寒波が島に訪れた日、一人とぼとぼと長袖を着てくるやつが学校に到着した瞬間この勝負は終わりを迎える。
勘違いしてはいけないのが、敗れた彼は決して寒さに屈したわけではない。
彼の名誉のためにも言っておくが彼は寒さに弱いわけではない。
みんな、七分丈のズボンを穿いてきたり、こっそり半袖を重ね着したりといった反則ギリギリの工夫をこらすなか、彼はうっすいTシャツ一枚に、キン○マが出るんじゃないかと言うくらい短い短パンで毎日頑張っていた。
そんな彼がどうして・・・
そう。
この勝負の決まり手はいつだって
「お母さんの圧力」なんだ。
あんたもういい加減にしなさい!!風邪でも引いたらどうすんの!!
近所の人にも笑われてるよ!みっともないから服着なさい!
このような母親からの圧力に屈したやつがこの試合では敗者となるのだ。
僕はこのお母さんアタックを回避するために、母親が出勤前に色々準備をする忙しい時間帯を狙ってこっそりと家を出ていた。
この作戦は母親に何か言われず家を出れる利点もあるが、早朝のため気温も低いという諸刃の刃だった。
そんな危険な作戦を実行するくらいこの熱い戦いに懸けていたのだ。
そんなこんなで敗者が決まった日の放課後、僕らは川へ行って全員で寒中水泳を楽しむのだ。
そうみんなバカだったのだ。
そんなことを思い出しながら、1時過ぎまで飲みすぎた僕はまだまだバカなのである。