朝から、自分でも驚くほど活動的に過ごした日曜日。
その〆にサウナへと出かける。
休日の終わり。
明日から始まる仕事に向けて、気持ちを切り替えていく大事な儀式みたいになっている。
17時半に到着し、ガラッと扉を開ける。
おや?いつもより人が多い。
ここは、人が少ないというたった一つのストロングポイントのみで僕の行きつけになっている。
なのに人が多い。
おそらくは宿泊客。
そう、ここは土佐御苑というホテルの大浴場なのだ。
そのため、日曜日は宿泊客も少ないはずなのに。
おそらくは団体さんだ。
みな楽しそうに会話をしている。
多分だが、お酒が入ってる人も見受けられる。
これは嫌なタイミングに来たな。
そう思っていたが、サウナを利用する人は少なかったため、特に気にならなかった。
たまに入ってくる人はいるが、サウナマットを使用しておらず、座って30秒ほどで「熱っ!!」と言いながら出て行ってしまう。
そらそうだろ。
酔っていると入口の外にあるマットすら目に入らないのだろうか。
結局多くの団体客さんとほとんど交わらぬまま、自分の時間に没頭することが出来た。
3セット目はがっちり13分から水風呂2分でぶっ飛んだ。
大満足で風呂から上がり、体を拭いてスキンケアやヘアケアなどをしていると、鏡に映る後ろのお客さんが変な動きをしている。
さっき、サウナマットなしで入ってきてすぐに出ていったおじさんだ。
どうやら自分の服をどこの棚に置いたか分からなくなっているらしい。
全く。
棚だってそんなに多くないのに。
呆れながらおじさんを見ていると、
「おっ、これかな?うん多分これだ」
と連れのおじさんに言いながら服を手に取っていた。
僕のや。
おっさん、あんたが今手に取ってるのは僕のパーカーや。
年末に買ったばかりの『CAMBER』のパーカーや。
絶対にそんなパーカー持ってないやろ。
そんな生地が厚くて重たいパーカーは年齢的に着ることないやろ。
すぐ気付くかと思っていたが、おじさんはその場から動かない。
僕は間違って着られたらいやだと思い、おじさんに声かけた。
「これ、僕の服です。」
僕は、怒るでも嫌な顔するでもなく、静かに指摘した。
おじさんは、「え?これ?え~あ~そうか・・・」
と、少し納得がいってない。
またもウロウロと脱衣所を見回って、また僕の服に近づいてじろじろ見ている。
だから違うって。
何でまだ疑ってるの?
僕は埒があかないと思い、急いで着替え始めた。
僕が着替え始めてすぐに、おじさんは割と大きな声で「あっ、これだこれだ」と言った。
僕の場所とは真逆の場所だった。
なんでやねん。
呆れて物も言えなくなった僕は、急いで着替え終えた。
大浴場から出るときにチラッとおじさんを見ると・・・
おじさんは浴衣に着替えていた。
浴衣と僕のパーカーをどうやって間違えたのだろう。
お酒を飲んでお風呂に入るのは大変危険だそうです。
くれぐれもお気を付けください。