ワンピース読んでる?
面白いよね。
まだジャンプを買って読んでいた、子どもの頃からの付き合いである。
だが、全部読んでいたわけではない。
登場人物が増え、戦闘シーンでは何が何やら分からないといったスリラーバーグあたりから熱心に読まなくなり、ドレスローザで完全にリタイヤしていた。
それから月日は流れ、ワンピースはもう100巻を超えている。
先日職場の先輩が全巻もっているという話を聞き、それならばということでもう一度読み直してみることにした。
読み直すと言っても全巻ではない。
なんとなく覚えている魚人島らへんからである。
それでも結構な数があるので、毎日少しずつ読んでいこうと思っていた。
まず先輩から10冊ほど借りて僕は久しぶりのワンピースを楽しんだ。
当初、1日2冊くらい読めたらいいなと思っていた。
そんなに時間があるわけでもないし、仕事終わって家事をして諸々やってたらもう眠くなる。2冊くらいしか読めないだろうと。
蓋を開けてみると、僕は借りた初日に、借りてきた10冊すべて読んだ。
もちろん、当初の予定通り全然時間は作れず、忙しくはあったのだが、あまりの面白さに、睡眠時間を削るという裏技で初日に借りた分をすべて読んだ。
久しぶりに読んだワンピースは、そのくらい面白かった。
そんなこんなで、日々睡眠時間を削っていき、とうとう残り16冊となった。
91巻から106巻である。
僕はとりあえず100巻までの10冊を借りた。
先輩は、「どうせすぐ続き読みたくなるんだから全部持っていったら?」というありがたい提案をしてくれた。
だが、さすがにそんなには読まないだろうということでその提案を蹴って10冊だけ借りることに。
先輩は、「まぁ読みたくなったらいつでも取りに来ていいよ。今日は夜更かししてるし。」
と言って、ニヤニヤしながら帰っていった。
そう、明日は休み。夜更かししてもいいのだ(毎日してた)。
夕飯を軽く済ませ、お風呂に入り、準備万端でワンピースを読み始める。
時計の針が23時を指すころ、僕は10冊を読み終わり、車を走らせた。
目的地はそう、先輩の家。
先輩の言ってた通りになったわけだが、これは僕が悪いとかそういうことではない。すべてワンピースのせいである。
無事先輩の家に到着し、先輩はにやにやしながら残りの6冊を貸してくれた。
「だから言っただろ?」
目がそう言っていたので、僕も目で合図をして感謝を告げた。
「F〇ck you」
偉いのは貴様ではない。尾田先生だ。
帰り道、はやる気持ちを抑えて安全運転で帰る。
土砂降りだったからだ。
信号待ちの間、ルフィのあの名言が脳内を駆け巡る。
僕はスルスルと土砂降りの夜道を走り、寄り道をして家に戻る。
寄り道したのは『すき家』であり、脳内を駆け巡った名言は「腹減った」である。
深夜の牛丼。
そしてまさかの2個食いである。
漫画を読むのに集中し、ギア4に入れていたので仕方がない。
そして2個目をミニにしているところに若干の理性が垣間見える。
さながら、ランブルボールを使っても暴走しなくなったチョッパーのよう。
チーズ牛丼のとろけ具合は、ヌマヌマの実のカリブーのように底なしで、食欲を刺激する。
絶対にやってはいけない深夜牛丼2個食い。
その圧倒的な背徳感は、美味しさにブーストをかけてくる。能力の覚醒を果たした牛丼は高いパフォーマンスを維持したまま最後まで美味しく頂いた。
そのまましばし賢者タイム。
なんでこんなことしたんだ。
なぜあの時止まれなかったんだ。
僕は悪くない。
夏のせいか?
先輩のせいか?
誰のせい?それはあれだ!
ワンピースのせい(僕のせい)