今週のお題「ゾッとした話」
僕は霊感が強いとかではないが、不思議な体験は何度かしている。そして身内には怖い体験を多くしている人も多いので、たくさんの話を聞かされてきている。
今回はそのなかのいくつかを簡単に紹介したい。
普通する?
明け方の5時半ごろ。
僕は目を覚ましていたが、なかなか布団から出れずにいた。
テレビでもつけようかとしていると、
『ピンポーン』
というチャイムが聞こえた。
こんな時間に誰か来ることなんて絶対にないし、隣のチャイムが聞こえたのかなと思っていると続けて、
『ピンポーン』
確実に僕の部屋だな。
不気味だがとりあえずインターホンの映像でも確認しようかと立ち上がると、
『ガチャ・・・ドンっ!!』
と、扉を開けようとドアノブを押す音が聞こえてきた。
いやいやいやいやいや
普通する?
そんなことする?
この時点でドン引きしてたんだが、さらに
『ガチャガチャガチャガチャガチャ・・・』
とドアノブを回しまくる激しい音が。
いやいやいや鍵閉まってるんやで?
開くわけないやん?
なんなん?
ちょっと腹も立ってきたが、この必死さはもしかしたらなにか事件なのかな?
急いでインターホンの映像を確認する。
そこには一切見知らぬ中年の女性が立っていた。
怒ってるでも困ってるでもなく、
ニヤニヤした顔で立っていた。
完全に戦意喪失した僕は、インターホンの映像を黙って眺め続けた。
20秒ほどすると、彼女は何事もなかったようにスッと帰っていった。
それからは一度も彼女を見たことはない。
じゃあ誰?
僕が中学生の頃、姉が人生で初めての一人暮らしを始めた。
当時専門学生で、はしゃぎまくっていた姉なので、家族みんな心配していた。
すると案の定、一人暮らしを始めてから一か月もしないうちに大家さんから電話がかかるようになった。
内容としては、夜中に騒いだりして近隣から苦情が来ている、夜中に歩く音が延々とうるさい、夜中に延々と話し声が聞こえる、というものだった。
よく一ヵ月でこれだけの苦情を集めたものだな。
電話に出ていた父は、大家さんに深く謝罪をし、すぐに姉に電話をかけ、厳しく叱責した。
姉は、思い当たることはあるということで、以後気をつけるという話をしていた。
しかし、それからもちょくちょく大家さんから苦情の電話がかかってくることがあった。
そのたびに父は姉に電話で注意をしていた。
しかし、姉は納得がいってない様子で、「それホントに私の部屋のことなの?」と逆ギレする始末。
両親は話し合った結果、姉を1週間くらい家に呼び戻すことにした。
その間にしっかり言って聞かせようと思っていたらしい。
家に帰ってきた姉は、「絶対に私じゃない。最初に注意されたときは友達と飲み会とかしてたからそうだったかもだけど、それからは一回もしてないし夜中は遊びまわってるから朝帰りばっかりだし。」
と父母に反論していた。
往生際の悪い姉だぜ。
そう思ってその喧嘩を眺めていた。
朝帰りばっかりってのを自慢気に言う姉はかっこよかった。
そのとき家の電話がなった。
父が電話に出て何か話している。
父はしばらく相手の話を聞いてから、訝しげな表情でこう言った。
「娘なら今ここにいますけど?」
どうやら今この瞬間、姉の部屋から騒音がするとの苦情が入ったそうだ。
姉は今、実家であるこの家のソファに座っている。
その部屋にはいるはずはない。
じゃあ一体誰?
電話の後、姉に話を聞いてみた。
姉は、実はこの件の前から、あの部屋に気味の悪さを感じていて、なんとなく居づらいという思いから毎晩遊びまわったり、友人を連れてきたりしていたらしい。
今回のことが決め手になって、姉はそのまま引っ越しを決意し、実家から戻ると同時に引っ越しを完了させた。
一体騒音を出してたのは誰なのか気になるばかりである。
ちなみに、姉が実家にいる際に大家さんにかかってきた苦情の内容は、
『大勢で歩き回っている音がうるさい』というものだったそうだ。
最後に
僕史上最も恐ろしい話はこれである。
読むときは自己責任でお願いします。