前回の話はこれ↓↓
暑いな
初めての海外での国内線を使い、ハノイからホーチミンへと移動した。
ベトナム国民の父とも呼ばれる、英雄ホー・チ・ミン氏からつけられた、ベトナム最大の都市である。
旧名は『サイゴン』で、現地では今なおサイゴンと呼ぶ方も多い。
そんなホーチミンに着いて最初の感想は「暑いな」というものだ。
ハノイではパーカーを羽織り、ぶるぶる震えながらぬるいシャワーを浴びていたのに、ホーチミンはすごく暑かった。
分かりやすく少しだけ縮尺を合わせたが、ハノイからホーチミンは北海道から九州くらいの距離がある。
しかも緯度で言うとホーチミンは沖縄よりもずっと下にある。
そりゃ暑いわけだ。
僕は着ていたパーカーをバッグにしまい、半袖短パンに着替えた。
バイク事情
空港から中心が今ではタクシーで移動した。
そんなに大した距離でもないのですぐに着いたし安かった。
海外でタクシーに乗るときは、しっかりと安心して乗れるタクシー会社を事前に調べることをおすすめする。
タクシーの中でも気付いていたが、道を走るバイクの量が尋常ではない。
そしてそれは中心街に近づくにつれドンドン増えていく。
最終的に中心地に着くころには、スタート前のモトクロス大会みたいになっていた。
タクシーを降りて、後輩Aと再会。
久しぶりに会ったAは、現地人のような顔になっていた。
そして、軽く飯でも食べるかと街をぶらつくのだが、横断歩道も全然ないし、バイクが多すぎて全然道路を渡れる気がしない。
現地人はバイクの間をぬうようにスイスイ進んでいく。
バイクは全く止まってくれないしスピードも緩めない。
一歩踏み出せず、その場で動けない僕に後輩がコツを伝授してくれた。
「止まっちゃダメですよ」
バイクの人たちは、勝手に避けていってくれるので、下手に止まったりする方が危ないそうだ。
そんなアホな。
とりあえず後輩についてバイクがビュンビュン行きかう道路に踏み出してみた。
怖い。
怖いが止まった方が危ない。
だから前だけを見て真っすぐに突っ切ってみた。
すると、バイクは本当に上手に僕を避けながら通ってくれた。
そんなアホな。
しかし、人間とは慣れるもので、
この根性試しのような道路横断は、ベトナムを出る頃には一切の躊躇なく出来るようになっていた。
ホーチミンは都会
ホーチミンはベトナム最大の都市だけあって、とても栄えていた。
都会的なビルと、庶民的な暮らしが混在するエネルギッシュで勢いのある街だった。
そして少しだけ物価も高い。
その日の昼食は、ちょいと小ぎれいなレストラン。
生春巻きと焼き飯を食べた。
価格は確か7ドルくらいだった。
ベトナムは実はドルが使える。
使うと警察に捕まることもあるとか言われてたのでビビってたが、レストランも普通に$表記だった。
少し奮発したとはいえ昼食に7ドルは高いな。
ホーチミン侮れないぜ。
ベトナムの田舎
ホーチミンからバスで1時間ほど離れた後輩の家に向かう。
後輩はベトナムの日本語学校で働いており、そこで働くほかの2人の日本人講師とともに暮らしている。
バスで1時間も走ると、景色は一変してのどかなものになる。
高い建物は無くなり、田園風景が増えてくる。
そんな感じののどかな集落に到着し、家に案内される。
めちゃめちゃデカい。
この田舎ではかなりデカい家だ。
部屋に荷物を置いて、コーヒーを飲みに行くことに。
散歩がてら歩いていくが、本当にのどかで、外国であることを忘れてしまいそうになる。
初のベトナムコーヒー
着いたのは、不思議なカフェだった。
東屋のような小屋がいくつかあり、そのなかにハンモックが並ぶ。
そう、「ハンモックカフェ」と呼ばれるお店だ。
ハンモックに寝転がりながらコーヒーを楽しめるという最高のお店である。
ここで人生初のベトナムコーヒーを飲む。
ベトナムコーヒーの最大の特徴は、練乳がたっぷりと入っている点である。
3分の1くらいは練乳だ。
そこに苦めのコーヒーを混ぜて飲む。
こんな感じの道具で淹れる。
甘すぎて1口で虫歯になるかとも思ったが、案外そうでもない。
コーヒー自体も独特のコクがあって、これまで飲んできたコーヒーとは別の飲み物だと思った。
めちゃめちゃハマったので、上の道具を買って帰ってきたが、一度も使ったことはない。
ちなみに、ハンモックカフェは油断するとめちゃ酔うので注意が必要だ。
後輩は家に戻る道の途中でダウンしていた。
田舎は安い
日本だと、都市部と地方で物価が大きく変わることなんてほぼないが、ベトナムは全然違った。
その晩に食べたのは、『フゥートゥーコ―』というビーフンのようなもの。
これがまぁ美味いのなんの。
結果毎日食べに行ったほど。
そしてこれがなんと30000ドンである。
あっ、急にドン出してごめんね。
ドンはベトナムの通貨で、当時の30000ドンは大体150円くらいだ。
つまり、1食150円で食べれたんだ。
ホーチミンの中心街とはえらい違いだ。
こんなに美味くて安いなんて最高だ。
僕はベトナムが大好きになった。
そして、その思いは日に日に強くなっていくことになる。
つづく