むらよし農園

面白いことが書ければと。

『日本人らしさ』が詰まった土用の丑の日

後輩と飲んでいるときのこと、テレビでは数日後の土用の丑の日に関するニュースが流れていた。

 

「丑の日は鰻食べるん?」

 

なんとなくそう聞いてみた。

最近うなぎにハマりつつあるのでどこかで食べようかな。そんなこと考えながら聞いてみたんだ。

 

すると

 

「いやー丑の日に鰻食べるのちょっと負けた気がして嫌なんすよね~なんか踊らされてるみたいな、ミーハーみたいな。」

 

思ってたのと違う返答だった。

 

僕は

 

「分かる―。分かりみが深いー。ミーハー根性丸出しな感じでちょっと恥ずかしいもんな。分かりみ深いわ~」

 

と、圧倒的な共感力を発揮してしまっていた。

本心では鰻食べたいと思っているのに。

自分のあまりの日本人らしさにちょっと面白かった。

 

でもまぁやっぱりミーハーっぽいから鰻は食べんとこ。

 

そんなこんなで土用の丑の日を迎えた。

 

快晴だ。

非常に天気がいいので車ではなく自転車で出かける。

 

近所の、鰻を販売するお店は朝9時から信じられない行列になっていた。

 

鰻なんて食べるもんか。

僕はミーハーな日本人なんかにならない。

 

そう決心し、仕事場へ急ぐ。

 

仕事中も終わった後も鰻がニョロニョロと頭を駆け巡ってくる。

 

なんだよ。土用の丑の日だからって鰻食べないといけないなんて法律はないだろ?

今月はお金を使う機会も多く、節約しないとだからな。

 

そうだ。丑の日は『う』のつく食べ物食べればいいんだろ?

牛でも梅干しでも馬でもいいんだから。

ステーキ丼でも食べようかな。

 

そう思いスーパーに寄る。

 

すると案の定『土用の丑の日』と、でかでかと宣伝し、店頭で炭火焼きした県内産の鰻を売っていた。

心がムズムズする。

やはりこういうイベントごとというか、祭りごとが好きなのは日本人の血なのか。

 

価格を見てみる。

 

『3456円』

 

高いわ。

 

 

いやいやいや高いわ。

高すぎるわ。

 

店より高いわ。

 

無理無理。

牛肉買って帰ろう。

 

そう決めて店内を回る。

 

他のコーナーでも鰻が並べられていた。

中国産は同じサイズでも1200円程度。

 

こんなに違うのか。

 

正直中国産でも味の違いなんて分からないんだろうけどな。

 

いやいや何鰻買おうとしてんだ。

 

牛肉買うんだ。

 

もう一度店内を回る。

 

気が付いたらまた鰻コーナーに来てしまっていた。

さっき見ていた店内焼の県内産うなぎが2割引きになっていた。

 

いやいや3456円だから。

2割引きでも高いから・・・

 

 

 

県内産の鰻

何で?

何でこうなる?

 

割引に弱い日本人らしさを十二分に発揮やな。

 

そしてこういう節目というかイベントのときに、せっかくだからと、ちょっといいものを買っちゃうのも日本人すぎるよ。

中国産でも味分からんのに。

 

まぁいい。せっかくなら美味しく頂こう。

 

久しぶりにメスティンでご飯炊いてみた。

メスティン

もう3年くらい使ってるtrangiaのメスティン。

ご飯がホントに美味しく炊ける。

 

失敗なんかしない。

ていうか失敗なんかない。

固形燃料1個で自動で美味しく炊ける。

ツヤツヤ

欲張って1.5合も炊いちゃった。

 

最高の米が炊き上がったので、その上に焼いた鰻をドーーンと丸々のせてしまおう。

 

はみ出るほどの鰻

いやーいいな。

鰻はやっぱり絵になるな。

 

日本人なら土用の丑の日には鰻食べないと。

 

めちゃめちゃ美味しかった。

 

食べてよかったと思った。

夏を乗り切るためにって考えは正直よく分からない。

せっかくの夏を踏ん張ってやり過ごそうなんて考えはもったいないよ。夏は楽しまないと。だから夏をノリきるってんなら分かるぜ。

 

夏をノリ倒していこうぜ。

 

土用の丑の日なんていうよく分からない行事に全力で乗っかってしまう自分のミーハーさというか日本人らしさが僕は大好きだ。

 

財布はダメージを負ったが、気持ちの上では大勝利した。

 

タイムマシーンがあれば平賀源内を見つけてぶん殴りたいと思う。

 

そして、ありがとうと言おうと思う。