22時前に仕事を終える。
閉店間際のスーパーに寄って家路に。
車からは懐かしい曲が。
高校生だったろうか。
湘南乃風が爆発的に流行る一歩前の時代。
地元の大きな祭りのボランティアに参加していた時のこと。
会場の本部にて準備をしていた僕たち。
真夏の日差しは朝から絶好調。重く、鋭くのしかかるような太陽が僕らを焦がしていた。
県外からも大勢の人が集まるこのイベントは、街全体を浮かれた空気に染める。
そんな中、会場ではこの応援歌が延々リピートしていたんだ。
1時間くらい聞き続けて、今度は本部を離れてそれぞれの持ち場に移動する。
その時にはもうほとんど歌えるようになっていた。
僕の持ち場はまさかの船に乗って色んな港を回るというもの。
調子に乗って船首に座って一日ルフィ気取りでいたところ、こっぴどく日焼けして、数日苦しんだ記憶がある。
今でもこの曲を聞くとその日のことが思い出される。
あの夏の盛りの眩しさを超える日はそうそうない。
疲れとか、ストレスとかもあり、今日の応援歌は染みたな。
ていうか今でも歌える自分に驚いた。
歌詞完璧に覚えてましたやん。
仕事では、昨日言われたこともほとんど忘れるくせに。
エモい気持ちのままに、夕食はスーパーで買った『ヤムウンセン』とビール。
スーパーでヤムウンセンが帰る日が来るとはね。
本場ほどのクセはないが、パクチーも効いててとても美味しかった。
旅してるときよく食べたな~
タイではカオサンにしばらく滞在していた。
カオサンのメイン通りから一本外れた路地の安宿。
カオサンは眠らない町と言われており、例にもれず僕も毎晩遅くまで飲み歩いていた。
ていうか眠らない町とか言われてるけどそんなことない。
普通にみんな朝から昼までしっかり寝てる。
夜起きてるだけだ。
昼前にのそのそと起きてきて近所の屋台に行き、パッタイやガパオを食べていた。
たまに二日酔いの苦しい時に食べてたのがこのヤムウンセンだ。
一口食べれば一瞬で思い出せる。
クッソ暑くて、車がうるさくて、ホコリっぽくて、変な匂いが充満してたあの路地を。
二日酔いとか言いながら昼から瓶ビール飲んでたあの時の自分を。
思い出に浸るうちに少しだけ元気になってきた。
きっと思い出ってのは、いつか思い出したときに自分が元気になれるように脳みその奥に貯めててくれるものなのかも。
じゃなければこんな昔のことを鮮明に思い出したりはしない。
思い出せるってことは、僕に元気を出せよっていう昔の自分からのエールなんだ。
ありがとう昔の自分。
そして未来の自分を元気づけるような思い出を残せてない最近の自分に
『喝』をいれておくからね。
期待しててね未来の自分。