花の金曜日。
コロナの感染者が急増しており、このままいくと、また飲みに行くのも少し憚られるような予感がする。
まぁ別にしばらく行かなくてもいいかと思っていると、後輩が誘ってきた。
うむ。嫌いじゃないよ。
1軒目の居酒屋に同僚数人で入る。初めての店だが、お客さんがおらず居心地もよさそうだ。感染のリスクも減るし。
当然1杯目は生ビールをチョイス。
みんなで乾杯。
今週も忙しかった。なかなかハードな案件が山盛りのてんてこ舞い状態。
そんな疲れをビールで思いっきり流そう。
ゴクゴクゴク・・・
ぷはーうま・・・ん?
うま・・・くない。
なんだか変な味がする。
みんなはさほど気にしていない。
僕だけかな?
グラスの問題?僕の体調の問題?いや違う。ビール自体がなんか変だ。
過去にもこんな感じの飲んだことあるな。そこも今日のように客がほとんどいないお店だったっけ。
なんだかなぁと思いながら、2杯目は瓶ビールをチョイス。
うんま。瓶ビールうんま!!!
おかしかったのはグラスでも体調でもなくビールだった。
まいっか。
僕らのあとに1組お客さんが来ていたが、その人はビールを飲むなり店員さんを呼んで
「これは一番搾りなの?」と聞いていた。
店員さんが「はい」と答えると、黙ってうなずき、その1杯と、頼んでいたつまみを食べて帰ってしまった。
やっぱり変な味だったんだね。
さて今回の飲み会には一つだけルールというか目標を設定していた。
『仕事の話をしない』
というもの。
近頃どうも、飲みながら仕事の話ばかりして、みんなでグダグダと変に熱く語ったりすることが増えていた。
だから何人かでもう仕事の話やめようということになった。
最初の数分こそそういう話もあったが、深い話にはならず、笑えるような内容に終始。
2次会では一度も出なかった。
そのせいかいつもよりも楽しかったんだよな。
そのせいかいつもより飲んでしまったんだよな。
でも、そのせいか全然悪酔いしなかったんだよな。
翌日も普通に起きて仕事行けたんだよな。
ほらね。
やっぱりそういうことだよ。
仕事の話ばっかりする飲み会なんてダメだったんだ。
早く気づけて良かった。
しばらく飲み会は自粛する方向になりそうだけど、飲む時が来たら、仕事の話なんか1ミリも入る余地がないほどに楽しい話題を目一杯持っていこう。
楽しい話題で溢れる毎日を過ごそう。
楽しすぎて財布から、予想の2倍お金が無くなってたことだけは反省しよう。