七時起床。
芝生、花、外に出していた食器に残った水、テントに付いた水滴。
全てのものが凍っていた。
綺麗な朝焼けを眺めてる余裕なんてない。
寒すぎてシェルターに戻りお湯を沸かす。
ストーブを一晩中つけていたおかげで室内は快適。寝る時も平気だった。
シェルターであるギギ2はスカートもついてないし、メッシュ部分もあるので換気という点では問題なくストーブも使える。
それでも念のため一酸化炭素チェッカーを置いていたが、あの恐ろしい警告音は聞かずに済んだ。
コーヒーを淹れる。
キャンプで飲むどんな飲み物より美味しいのが朝一のコーヒーだ。
外に出て河原を歩きながら飲んでみる。
ちょうど太陽も登ってきた。
EVISBEATSの『夢の続き』が脳内に流れる。
いい朝だ。
あんなに行きたくなかったキャンプなのに楽しめてしまったな。
先輩方とキャンプギア談義に花を咲かせていると、
「しばらくはゴルフに専念するからキャンプはちょっと封印」という決意も揺らぎに揺らぐ。
欲しいギアが山ほど出てきてしまった。
どうすればいいのやら。
撤収作業をなんとか終わらせる。一生終わらないと思っていたがみんなでやれば怖くない。
「また今日も勝ってしまった」
キャンプの撤収終わりに必ず呟くこの一言がみんなの解散の合図。
またやろう。とびきり寒い日にやってやろう。
帰りに佐川の『33ラーメン』へ。
33号線沿いにあるからこのネーミングだと思うが潔くて好きだ。
ネイティブ住民100%だろうこの店には初めて来たが、よく繁盛している。
こういう地元民しか知らない。地元民しか来ないような店はわくわくする。こんな店を探してるといっても過言ではない。
33ラーメンに半チャーハン
こういうのでいいんだよを詰め込んだような町中華の味。
麺は少し柔らかいし、チャーハンは少し焦げてるけどこれがいいの。
地球上の全員が信じなくてもこれがいいの。
先日の『玉子焼きめし』も上品でふわふわで完璧に美味しかったけど。
そういう完璧よりこんな感じのが好きなの。
麺を勢いよくズズっとすすって、チャーハンをカチャカチャとスプーンで雑にかき込めばそれでいいの。
でも周りをみると『スタミナ丼』なるものを頼んでる人が多かった。
そしてそのスタミナ丼のビジュアルが完全にイケてた。
ちくしょう。
次はあれだな。
帰ってキャンプの片づけ。まったりとゆっくりと昼寝をはさみつつ終わらせる。
そろそろいらないギアの整理もしなきゃだな。
夜は久しぶりに焼肉へ
焼肉あおき屋
ビールを2杯ほど飲んだ時に、ふとご飯を頼んでみようと思った。
もう焼肉にご飯なんて何年もしてない。
大人になりたての頃はそれがかっこいいと思って、ご飯食べたいのに無理してビール飲んでた。
それがそのうち、焼肉=ビールという組み合わせが体に染みついてしまってご飯を頼みたいとは思わなくなった。
それが今日はなんだかご飯が食べたい。
2杯目のビールを飲み干すと同時にご飯の中を頼んでみた。
さっと炙って食べる薄めのロース肉をパクっといってからご飯をわしわしと頬張る。
えっ?
ちょっと待てよ。
特上の肉をすき焼きのように卵につけていただく人気メニュー『焼きすき』をパクっといってからのご飯。
ヤベーな。
美味しすぎて脳みそ壊れるかと思った。
こんなに美味しかったっけ?
特上ロースの多すぎるくらいの脂をがっぷり四つで受け止めるご飯の懐の深さに、先場所の照ノ富士を見た。
そのくらいお肉とご飯の愛称は抜群だった。
ビールでは少し弱い、調子悪い時の御嶽海くらい簡単に土俵を割るだろう。
気が付いたらご飯おかわりしてた。
大で。
そもそもこの店の米がうまいことは間違いない。
それでも大いけるとは。
ちょっとしばらくは焼肉いったらご飯頼むことにしよう。
これまでの自分から一歩先んでてみよう。
新しい扉を開けてみよう。
最近全然肉が食えなくなったと思ってたけど、ご飯と一緒ならまだまだいける。
まだまだ食える。
僕はまだやれる。
もっとがつがつイケる。
全然老け込んでない。
もみあげに白髪を1本見つけて凹んでも。
あごひげに数本の白髪を見つけて凹んでも。
チ○毛に白髪を見つけて真剣に凹んで、それをティッシュにくるんで大事にとってても。
僕は老けてない。こっからが全盛期。
そういう気概で生きていこう。