むらよし農園

面白いことが書ければと。

迷惑駐車の豪華キャスト。一番悪いのは誰?~前編~

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駐車場の異変

 

10月26日(火)

19時20分

いつも通り仕事を終えてスーパーで買い出しする。

 

最近の中では早めの帰宅ができそうだ。

 

ちょっとだけ手の込んだ美味しいものでも作ってみようか。

最近飲み会も多かったし食べ過ぎる日も多かったからヘルシーなものでも作ろうか。

 

そんなこと思いながら買い物を終える。

 

19時45分

自分の駐車場に着いた。

 

僕のアパートは駐車場がなく、近くの月極駐車場を利用している。

全部で15台ほどとめれる駐車場。

そのうち僕の隣3台がパン屋さんの駐車場になっている。

 

僕の駐車場番号は7番。

 

いつものようにとめようとするが、見知らぬ車が停まっている。

 

番号を確認する。

 

間違いなく7番。

 

初めてのことなのでいまいち状況がつかめない。

なにかの間違いかもと思いしばらく待つ。

 

管理会社の情熱

 

20時

一向に誰も来ないのでとりあえず管理会社に電話をしてみる。

 

 

「もしもしこんばんは。駐車場を契約しているものですけど」

 

「本日はどういったご用件でしょうか?」

 

「僕の駐車スペースに車がとめられていて・・・」

 

「えっ!迷惑駐車ですね??知らない車ですよね?それは迷惑駐車ですよ!!!」

 

 

急に大きな声で話し始めた担当者。

おいおいとんだ熱血漢じゃないか。

 

「すみませんが、駐車場のある場所の住所を郵便番号から教えてください。」

 

急なテンションの上がり方に少し戸惑ったが、積極的に動いてくれそうなことに安心して住所を教えた。

 

「わかりました。少々お待ちください。」

 

エリーゼのためにが流れ始める。

 

 

そうか僕は迷惑駐車をされているのか。

初めてのことで状況を把握しきれていなかった。

管理会社の方の正義感あふれる物言いに感心しながら保留が切れるのを待っていた。

 

 

 

5分間のエリーゼループはさすがに頭おかしくなるよ。

 

 

めちゃめちゃ待たされて、やっと戻ってきた担当者は第一声で

 

「ちょっと場所が分かりません」

 

と力なく言った。

 

は?

 

「ちょっと駐車場の場所が分からないのでこちらとしてはどうしようもできないので警察に連絡してください。」

 

は?

 

めっちゃ住所教えたやんか?

 

どこどこの道をこう入ってこういったらって説明までしたやん?

 

 

「そしたらもう一回住所教えます。」

 

 

「いや~ちょっとまぁなんというか、場所が分かっても私たちにはどうすることも出来ないので警察を呼んでください。」

 

は?

 

 

 

 

 

 

は?

 

 

「あーはい。分かりました。ありがとうございました。」

 

ガチャ

 

 

いや何で?

じゃあ最初から住所聞かなくてよくね?

5分も保留で待たす必要なくね?

あの正義感に満ち溢れた序盤はなんやったん?

 

思ってもみなかった決着に戸惑いながらも、車をとめないことには家に帰れないので警察に電話することに。

 

警察現る

 

20時15分

 

「もしもしこんばんは。少しお伺いしたいことがあるんですが」

 

「はい。どういったことでしょう?」

 

「契約している駐車場に知らない車が停まってまして、管理会社の方に警察に電話してくれと言われたんですが、警察に電話する案件で合ってますか?」

 

さっきの電話がショックなのか少しばかりへりくだりすぎた。

 

 

「もちろん。警察が対応します。住所を教えてください。」

 

さすが警察。安心感が違う。

 

「すぐに向かいますので目立つところに立っていてください。」

 

これでひとまず大丈夫かな。

 

 

 

20時45分

 

サイレンこそ鳴らさないがパトランプ回して登場。

 

すぐとは?

30分目立つところに立ってたよ。

 

 

警察はがっちりした体型の男性二人組。

 

開口一番

 

「迷惑駐車の車はどれですか?」

 

世間話なしの本題に一発。これはやってくれそうだ。

 

案内する。

 

迷惑駐車している車は黒のデリカ。

こんなデカい車で迷惑駐車するなんて偉そうやな。

 

せめてラパンくらいにしとけよ。

 

 

ライトで照らしながらデリカをまじまじと見ていた警官が

 

「おっ」

 

と声をあげた。

 

僕は全く気付かなかったが、フロントガラスのとこに持ち主の身分が分かるものが出てきた。

 

『○○町役場職員 ○○○○○』

 

職場の駐車許可証だろう。

 

これには警察官もにっこり。

 

 

「車からも身分は分かりますし、すぐに連絡つくと思いますよ。」

 

パン屋登場

 

21時

 

意外と早く決着つきそうだと思って待っていると騒ぎを聞きつけたパン屋さんが外に出てきた。

 

「何の騒ぎです?」

 

 

「すみません。僕の駐車スペースに勝手に停められてて車をとめれないんで警察を呼びました。」

 

「あら?それは嫌ねぇ。あれ?あの車?あの車はうちが定休日のときにもよく停めてるのよ~なんて図々しいんでしょうね。」

 

どうやら迷惑駐車の常連らしい。

 

するとパン屋さんは

 

「停めるところがないんでしょ?明日の朝まででいいならうちの駐車場に停めてくれてもかまわないよ。」

 

と願ってもない提案をしてくれた。

 

「ありがとうございます。助かります。」

 

そう伝えて、車を停めさせてもらった。

 

これでひとまず家に帰れるのか。と安堵していると

 

警察官が近寄ってきた。

 

連絡ついたのかな?

 

「いやーどうやら家の電話番号しか分からないみたいです。」

 

といってお手上げみたいな顔してきた。

 

「ちょっとつながるまでかけてみます。」

 

この時代にそんなことあるわけないだろ!!

家から離れてここに車停めてるのに家に電話してどないすんねん!!

いい加減叫ぶぞ

今週のお題「叫びたい!」

 

 

もうだめだ。

駐車場について1時間30分経ってるのに・・・

 

これじゃまだまだ終わりそうにないな~と考えていると警察官がパトカーに向かって小走りで戻っていった。

 

おっなんか進展あった?と思っていると

 

警察は予想の斜め上をいく驚きの行動に出た。

 

 

 

つづく