むらよし農園

面白いことが書ければと。

譲り合いの精神とアロハ精神

僕は、車を運転しているとき、駐車場から公道に出てこようとしている車や、右折待ちをしている対向車に対し、道を譲ることが多い。

 

よっぽど余裕のない時以外は意識してそうしている。

僕は譲り合える男なのだ。

 

ちなみに、こちらがまだ譲る意思を見せる前に「譲ってもらって当然」とばかりにぐいぐい来る車には冷たくガードする。

僕はオラオラした運転手は嫌いなのだ。

 

道を譲った車が僕にペコっと頭を下げたり、手を上げてくれたり、ハザードを点けて感謝の意を示してくることがある。

そんなときはスッと右手を上げて、「気にするな。当り前よ」という顔をする。

僕はそんな自分が好きである。

 

ちなみに、譲ってあげたのに全くこっちを見ずに、シカトをかましてくる車には、心の中でスッと中指を立てる。

僕はそんな自分もまた好きである。

 

 

先日のこと、いつもなら混雑することのない裏道を走っていた。

この日はいつもよりも車が多く、なかなか思うように進まない。

そんなとき、信号のない横断歩道を渡ろうと待っている母娘がいた。

 

対向車線の車はその母娘に気付いて停車している。

しかしこっち側の車線を走る、僕の前をいく車達は止まらなかった。

そのため母娘は渡ることが出来ないでいた。

 

なので僕は横断歩道の前で停車し、その母娘に横断歩道を渡るように促した。

 

娘は大きく手を上げて横断歩道を渡る。

母親は対向車線の車と僕に交互に頭を下げて小走りに娘の手を引いていった。

 

僕は当然のことをしたまでよという顔で車を発進させようとした。

 

そのとき、対向車線で母娘のために停車させていた車の男性が僕に向かって、

 

すれ違いざまに窓から手を大きく出し、

 

 

 

『アロハポーズ』をしてきた。

 

 

 

親指と小指を立て、軽く左右に振るあのポーズである。

そしてその男性の表情には、「グッジョブ!」という気持ちが込められていた。

 

 

僕は驚いて、右手を上げることしか出来なかった。

 

 

しばし呆然としながら車を走らせる。

 

 

じわじわと、なんとも言えない気持ちよさというか温かさが僕を包んできた。

そうか、あんな人もいるのか。

 

なんと言っていいか分からない。

僕のこの気持ちをどう表現したらいいか分からない。

 

でもすごくかっこいいというか、なんというか

 

 

粋な人だなと思った。

 

 

そんなことを考えながら目当てのドラッグストアに着く。

 

入店するとき、ちょうど退店する男性とすれ違う。

狭いエントランスは二人が同時に通れるほどの幅はない。

 

どんな場所でも、入る人より出る人が優先だと思っている。

 

僕は横に避けてその男性を先に通した。

 

 

その男性はスッと頭を下げて足早に通り過ぎていった。

 

 

実にスマートな振舞である。

 

 

気持ちよくなった僕は、全く買わなくていいものまで買い物してしまい、ドラッグストア史上最高額を叩き出した。

 

歯磨き粉2個も買うなよ要らんだろ。

ワンルームの部屋にコンバット12個も要らないだろ。

ビビりすぎだろ。

環境にもお肌にも優しい無駄に高い洗顔買ってどうするんだ。

 

まぁいいか。

 

何が言いたいかというとね。

 

 

嫌味なく人に道を譲り

 

譲られたら嫌味なく頭を下げて感謝を示す

 

 

そして、アロハポーズをされたら瞬時にアロハポーズを返してあげる。

 

 

そういう人に私はなりたい。

 


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