むらよし農園

面白いことが書ければと。

怖い夢の話

 

はじめに

昔から夢をよく見る。

寝つきはよくないし、夜中に何度も目を覚ますくらいには寝るのが下手だ。

だからなのか、ほぼ毎日のように夢をみる。

だが、そのほとんどは起床後20分もすれば忘れてしまう。

 

昔からそうだ。

 

しかし、ここ半年の間に、何故だか記憶から消えていかない夢を見ることが何度かあった。

そしてその夢は全て繋がっている。

 

少しばかりよくないように思うので、聞いてほしい。

 

怖い夢1日目

はじまりは今年の3月。

夢の中で、見たことあるようで見覚えのない海沿いの道を歩いていた。

 

地元の道にすごく似ているが、どこか違う。

限りなく同じなのだけど、絶対に違うという確信があった。

 

その道を歩いていると、遠くの方にトンネルが見えてくる。

このトンネルも、地元のトンネルにそっくり。

 

僕は近づいてくるそのトンネルに不穏な気配を感じていた。

 

行きたくないと思うが、通らないといけないという、夢特有の強い縛りを感じた。

 

仕方なく進む。

そこで、同じようにトンネルに入る人たちに出会う。

これも、地元の友人に似ているが、やはり違う人たちだ。

 

その人らと話をしている場面で目が覚めた。

 

怖くはなかったが、なんとも言えない違和感を覚えている。

 

怖い夢2日目

次の夢は2か月後の5月にやってきた。

 

トンネルの見える道沿いで、友人らしき人達と話をしている。

 

みんな、トンネルに入るのが怖いというようなことを言っている。

 

いわく、このトンネルにはよくないものがいるらしい。

このあたりで、この夢が前回見た妙な夢の続きであることを理解した。

 

あーだこーだと言いながらも、みな先へ進まねばならない。

全員でかたまってトンネルを抜けようという話になった。

 

メンバーは僕を合わせて5人。これだけいれば多少怖さも減るだろう。

それに昼間だし余裕だと思っていた。

 

トンネルが近づいてくる。

昼間とは思えない異様な迫力があった。

そしてトンネルの真ん中くらいに、なにか人のようなそうでないような『なにか』が立っているのが見えた。

 

ここでこの夢は終わる。

 

この時は、さすがに少し怖かった。

なにより、一度見たことがある夢の続きを見るという経験がなかったので、なんだかよくない夢なのかもと思った。

 

 

怖い夢3日目

3回目の夢も2か月後に現れた。

 

この時はすぐに前回の続きだと気付いた。

トンネルの前でしり込みする僕ら。

真ん中らへんに見えている『なにか』についてみんなに聞いてみる。

 

人じゃないかという意見と、ミラーとか標識とかじゃないかという意見に割れた。

僕は、人でもないしモノでもないと思っていたが、何も言わないことにした。

 

みんなで意を決してトンネルに入る。

広めの歩道があるので、そこを進む。

皆何故か、右側に寄って歩く。

 

口には出さないが、壁側はよくないと感じていた。

しばらく進むと、例の『なにか』近くまで来た。

 

結構近いのに、不自然なほどその『なにか』は不明瞭だ。

 

どうやら壁にあるくぼみのなかにその『なにか』は立っている。

全員壁のほうを見ないようにして、顔をそらして通る。

 

目の前まで来た時、その『なにか』から発せられる異様な気配に気づく。

心臓が音を立てる。汗が噴き出てくる。

そして吸い寄せられるように、勝手に視線が左を向く。

 

そこには精巧な人形が置いてあった。

両手を広げた、山姥のような人形。

リアルだし、デカいし怖い。一瞬ドキッとしたが、人形だと分かったので、少しホッとした。

さぁ先を進むか・・・

 

 

ここで目を覚ました。

実際に汗をびっしょりとかき、喉がからからだった。

 

 

怖い夢4日目

そして、またも2か月後の9月、その夢はやってきた。

 

今回の夢は、前回の少し前からの続きとなった。

番組のCM明けのような感じで。

 

またあの人形の前を通るのか、嫌だったが人形だと分かっていたので、もう少しよく観察して見ることにした。

 

その人形は、泣いているような笑っているようななんとも言えない表情をしていた。

 

ずっと見ているとよくない気がして、すぐに前を向いた。

 

人形の前を通り過ぎて数メートル歩いたところで、胸がざわざわしてきた。

 

「振り向いてはいけない」

 

振り向こうとしたわけでも、振り向きたいとも思ったわけでもない。

なのに、いきなりそう思った。

 

そして、そう思ってしまったのと同時に強烈な引力を感じてしまった。

振り向いたらダメなのは分かっている。

絶対に。

なのに体がどんどん後ろを向いてしまう。

 

なかば操られるようにして僕は振り向いた。

 

 

あの人形は体をかがめて、覗き込むようにこちらを見ていた。

 

そして、さっきまでは人形にしか見えなかったモノが、今はまた人形のようで人形ではない『なにか』になっていた。

目が合った瞬間、その『なにか』が笑い始めた。

恐怖に体を支配された僕は、これはヤバいと思い、無理やり目を覚ました。

 

 

まだ夜中の3時過ぎだったが、恐くてもう眠れなかった。

 

幸いにもこの夢の続きはまだ見ていない。

 

だが、最後に見た日からもうすぐ2か月が経とうとしている。

またこの夢の続きを見てしまったら、僕はこの間のように、しっかり逃げられるだろうか。

 

 

もう見たくないんだけどな。

 

 

とりあえずピルクルミラクルケア買ってきます。