むらよし農園

面白いことが書ければと。

懲役13年で気付く自由

二日酔い。

 

確実に飲みすぎていた。

急いでシャワーを浴びてポカリをがぶ飲みする。

 

少しはマシになってきた。

だが何かが出来るほどの回復ではない。

 

何か手を打たないと。

 

仕事までギリギリの時間だが行くしかない。

 

 

 

 

 

たも屋の中華そば。おにぎりと唐揚げと竹天を添えて。

 

添えすぎた感は否めないけど、熱々の出汁は二日酔いの体にじっくりと染み込んでいった。

 

休日出勤の土曜日の始まりとしては悪くないだろう。

 

 

 

結局仕事は17時まですることになった。

 

普通の出勤の日かよ。

 

しかしながら普段よりも大分早い時間なのでるんるんで退社(社畜

 

いつの間にか外には雨が降っていた。

外の天気に気付かないような生活はダメだな。

 

 

スーパーに寄って帰る。

 

 

 

今日すごく怖い夢を見た。

 

霊的なものではないし、襲われるとかそんなんじゃないがしみじみと怖かった。

 

 

どんな夢かというと・・・

 

 

僕は何故か18歳という設定だった。

 

 

18歳当時の頃の夢ということではなく、今の僕がただ18歳になったという変な夢。

 

前半は記憶にない街をうろつき、とある大きなショッピングモールのような場所にたどり着いた。

 

そこには職場の仲間たちがいて、何かのイベントが行われていた。

 

そしてそのイベントが終わり、僕は車中泊をした。

 

目が覚めるとそこは車ではなく、学校のような場所だった。しかも日本の学校ではなく、外国の学校のようだ。

 

広くて明るいスペースに十数人の同じ世代の人間がいる。

 

人種も様々だが不思議と全員と日本語でコミュニケーションをとっていた。

 

何をしていいかいまいち分からなかった僕は本棚から一冊の本を引っ張り出して読書をして時間を過ごした。

 

静かだけど、程よくワイワイしてる。なんというかとても居心地のよい空間だった。

 

周りのみんなもとても気さくで優しく、僕は安心していたんだ。

 

なぜ安心していたのかというと、まだ何の説明も受けてないし何にも聞いてないが、この場所にしばらく滞在するということはなんとなく分かっていたからだ。

 

どのくらいここにいなければいけないかは分からない。それでも居心地がいいに越したことはない。

 

 

そんなことを思いながらのんびりと過ごす。

 

 

どのくらいの時間がたっただろう。

 

僕たちはその建物の真ん中にある広いフリースペースのようなとこに集められる。

 

そこには金髪の外国人女性がいて、僕らに座るよう指示してきた。

 

その女性をぐるっと囲むようにしてみんなで座る。

 

僕らが座ったのを確認すると女性は話し始めた。

 

 

とても穏やかで優しい語り口で女性は色々話してくれた。

 

細かい内容は覚えてないが、簡単に言うと僕が今いる場所は・・・

 

 

 

 

刑務所だった。

 

 

結構なショックを受けたが、なんとなく予想はしてたのですんなり受け入れることが出来た。

 

居心地も悪くないし、施設からは出れないようだが自由な時間を過ごすことは出来そうだ。

 

 

問題なのはどのくらいの期間いるのかということ。

 

 

なんとなくだが、1か月から3か月くらいだと思っていた。

そのくらいの期間なら耐えられそうだと思っていた。

 

 

しかしその後、金髪女性から呼び出され、ガラス張りの個室に通された。

 

変な部屋だな。

 

女性は僕に、この施設での居心地はどうだと尋ねてきた。

 

悪くないと答えると女性は優しく微笑み、それはよかったと言った。

 

その後少しの世間話の後に僕の刑期の話になった。

 

僕のこの刑務所での刑期は

 

 

13年だった。

 

 

 

 

何も考えられない時間があった後、とてつもない負の感情に心を支配された。

 

 

あと何回寝たらなんて小さな子どものようなことを考える。

 

 

いや、考えられない。

 

これから先どこにも出かけられずこの場所で13年。

 

 

それは死刑宣告も同然だ。

 

 

考えられないくらい落ちこんでいる僕に金髪女性は、「頑張って」とだけ言って面談は終わった。

 

ガラス張りの部屋から出た僕は、あまりのショックに立っていられなかった。

 

強制労働のようなこともない。

厳しい規律もなさそうだ。

基本的に自由に過ごしてもいい。

 

だが施設のなかからは絶対に出られない。

施設のなかではどんなことをしてもいい。

しかしそれは自由とは言えないだろう。

自分の意志で好きなところへ行けないというのは自由から程遠いものだ。

 

そしてその期間13年。

 

 

その13年という重みに耐えきれないまま僕はベッドに入った。

 

 

 

そこで目が覚めたのだが、心底安堵した。

 

自由に外に出れる。

自分の好きなことが出来る。

好きなものが食べれる。

 

 

そう考えただけで、心の底から今の自分の状況が幸せなんだと気付いた。

 

あんまり夢の内容を覚えてる方ではないが、今回の夢はインパクトが強すぎてハッキリ覚えていた。

 

 

いやーどういう心理でこんな夢見るんだろう。

 

夢診断的なことはしたことないけどやってみようかな。

 

刑務所に入る夢がいい夢ではないと思うけど。

 

 

僕には自由がある。

どこにでも行けるし、何でもできる。

 

日曜日は好きなことして過ごそう。

 

みなさんもよい休日を。