むらよし農園

面白いことが書ければと。

もう家では本を読めないということ

小さい頃から本ばかり読む子だった。

 

みんなが休み時間に校庭を走り回る中、教室で本を読むことが好きだった。

中学にあがるとますます本ばかり読むように。

 

そもそも娯楽の少ない島育ちなので、読書こそが一番の趣味となっていた。

 

高校でも大学でもその生活は変わらなかった。

 

異変は大学を卒業したあたりから。

 

徐々に僕と本との間に距離が出来てきた。

 

図書館で借りた本も読まずに返すことが増えていった。

そして働くようになってからはそれが決定的となった。

 

 

読めないのだ。

 

 

読みたいと思って本を買ったり借りたりしてもどうしてもページをめくれない。

 

どういうことだ。

あれほど好きだったのに。

本を前に首をひねる日が続いた。

 

三宅香帆さんの『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』が出版されたときは、この悩みは僕だけじゃなかったのかと思うと同時に、僕がずっと思っていたことをきれいに言語化されて悔しくもあった。

 

それから何年も試行錯誤していった結果、僕は昨年の途中から継続して読書することが出来ている。

 

本を読むために僕が実行したことは1つ。

 

 

家以外に本を読みに行くことだ。

 

僕はこれまで家で本を開こうとしていた。

しかし、家の中には集中を阻害するものが多くある。

 

まずはスマホ。

コイツはもうダメだ。

確実に依存しているので、一瞬でも隙を見せたら一生画面をスクロールしている。

 

次にテレビ。

ハッキリ言ってもうテレビなどほとんど見ない。

でもなぜかつけてしまう。

 

見たい番組もないのに。

惰性でしかない。

つけたうえで、音が気になるのでミュートにしたりする。

 

消せ!

 

そして部屋にあるものすべて。

なんかもう気になったら本を置いて掃除し始めたり洗い物したり洗濯してる自分がいる。

まるで部屋中から「本を読むな」と言われているみたいに。

 

どういう種類の事故物件なんだろう。

 

だからもう思い切って外で読むことにした。

 

わざわざ家から離れたカフェに行き、わざわざ500~600円払って飲み物を購入して。

そこまでして初めて集中して本が読めるのだ。

 

昨年、カフェで久しぶりに本に没頭した時間を過せたことが嬉しくて、帰りに本屋で何冊も本を買った。

 

そして家で本を開き、2分後には洗濯物を回していた。

 

やはり僕は家では本が読めないと確信した瞬間である。

 

それからというもの、僕は週末になるといそいそとカフェに出かけ本を読んでいる。

タリーズが一番いい

 

家で読めばタダだし、移動にかかる時間もない。

それは分かっている。

でももうそれは無理なんだ。

 

月に7000円以上の月謝を払うという、身を切ることをして初めてジムに通ってトレーニングができるのと同じだ。

 

人間はお金を貰わないと働かない。

それと同じくらい、お金を払わないと自分のための行動は出来ないのだ。

 

それがよく分かった。

 

だからこれからも僕はタリーズで本を読む。

 

 

家の外でしか本が読めない人のように


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