年度末のクソ忙しいタイミングに名古屋出張3泊4日がカットインしてきた。
今年度3度目の名古屋である。
もうええでしょう。
だが名古屋は嫌いではない。
行きたいところもままある。
そう思いながら1日目は名古屋グルメを満喫した。


午前中に着いて、小倉トーストモーニングを食べて昼にきしめんを食べて、夜は味噌カツで飲んで〆にベトコンラーメンを食べた。

ニンニクの粒が7~8個くらいゴロゴロしてた。
一日目にこれでもかと名古屋を満喫した結果、
僕の身体はもう名古屋に飽きていた。
どこで食べても何を食べても味が濃い。
シンプルに夜中のベトコンラーメンの打撃が強すぎたともいえるのだが。
僕のお腹はもう名古屋を欲していなかった。
翌日からは町中華だったりお洒落な居酒屋だったりと、完璧に名古屋を排除した食事に徹していた。
そして最終日の夜。
最後の夜は何で〆ようか。
僕はホテルの近くを歩いて回った。
駅近くの繁華街はとても賑やかで、名古屋名物を前面に押し出したお店も多い。
そんな派手な繁華街を抜け、少しずつ人通りも少なくなった路地に僕の心をくすぐる店があった。
それがここだ。

まさかのスリランカ料理の店だ。
インド料理屋は全国各地のいたるところにあるが、スリランカ料理というのはあまり見たことがない。
そして・・・

お店の真向かいには馬鹿でかい個室ビデオ屋があり、人気のない通りを煌々と照らしている。
これは間違いない(なにが?)
僕は確信してセイロンママに足を踏み入れた。
店内は広く、お客さんは若いお兄さんが美味しそうなカレーを食べていた。
なかなか美味しそうだ。
僕もアレを食べたい。
店員さんに案内された席に座りメニューを眺める。
ほぼ何が書いてあるのか分からなかった。
書いてあるのは分かるが、セットやらなんやらがどんなシステムなのかが全く分からなかった。
店員さんを呼んで訊ねてみるも、いまいち日本語が伝わらない。
僕の伝え方が下手なのだろう。
とりあえずチキンカレーが食べたいということと、ビールが飲みたいことを伝えて注文を終えた。
ビールがすぐに届く。
キンキンに冷えた異国の瓶ビールはこの怪しい雰囲気にマッチしていてものすごく美味い。
しかし、カレーがなかなか届かない。
隣のお兄さんのカレーを見るにそこまでトッピングが多いわけではない。
そして現在厨房で作っているのは僕の料理だけ。
こんなにかかるのか。
ビールもとっくに飲み終わった頃。
注文して20分ほど経ってようやくカレーが届いた。

届いたカレーは思っていた姿のものではなく、信じられない数の小鉢を伴ってやってきた。
僕のリアクションを見て店員さんも笑っていた。
メインのチキンカレーにはゴロゴロ鶏肉が入っている。
そしてご飯の横にはガリっと揚げられたデカいチキンが。
そしてそれ以外に10皿も小鉢がついている。
「これ1人前?」
美味しそうではあるが、こんな量を食べる準備は出来ていない。
僕は困惑した。
だが、やるしかない。
もうお残しはしないと心に固く決めていたのだ。
やるぞ。
意を決して食べ始める。
まずはカレーを一口。
「美味い」
かなり美味しい。
ここ最近食べたカレーの中でもかなり美味しい。
これなら楽勝だ。
そう思い、見慣れない料理の入った小鉢を一口つついてみた
「知らない」
まったくもって知らない味がした。
見た目はほうれん草のおひたしのように見えるが、味は真逆。
甘いのだ。
ココナッツの甘みが爆発している。
またも脳が混乱し始める。
急いで他の小鉢にも手を伸ばす。
「知らない」
またもや知らない味だった。
煮物に見えるので、勝手に甘い味付けを想像して口に入れたが、深くて臭めのチーズのような味がした。
そこからはとにかく急いで食べ進めた。
「美味い」
「知らない」
「知らない」
「美味い」
「知らなすぎる」
・・・
・・・
20分ほどかけて僕は完食した。
これどほまでに知らない味があったとは。
スリランカ料理恐るべし。
お腹はパンパン。
会計に向かう。
僕が注文したはずのチキンカレーは1400円。
だが、きっと僕が食べたあいつはチキンカレーではない。
もっと高いはず。
いくらだ。
「3400円です」
思っていたよりも高かった。
後から考えたことだが、きっとスペシャルなセットにしていたのだと思う。
それにビールだからまぁこんなものだろう。
ありがとう。
また来るよ。
その時までにスリランカの言語をマスターして、チキンカレーの単品を頼めるようにしておくね。
