3年前、僕のプレイリストに新しく加わったアーティストがいる。
カネコアヤノだ。
超保守的で、中学時代から聞いてきた曲にしがみついては、最近の曲を受け入れようとしなかった僕。
往年の名曲を毎日聞き続けては、最近の流行りの曲を聞き流す日々。
そんな僕の壁を壊して入り込んできたのがカネコアヤノである。
その日以来僕はこれまでに聞いてこなかったアーティストの楽曲を聞き入れることができるようになっていった。
僕の音楽鎖国を終わらせてくれた存在でもある。
毎日毎日ひたすらに聞いていた。
そして募ってくる「ライブに行きたい」という思い。
僕は昨年からライブに応募し始めた。
スケジュール的に行けそうなライブは全てに応募した。
東京、福岡、大阪、広島・・・
先行抽選、一般抽選その全てに落選した。
たかだか2,3年聞いただけのにわかには早いんだよと言われた気がした。
悔しい気持ちと、寂しい気持ちがあふれた。
1度しかない人生、僕は生のカネコアヤノを見ることなく生涯を終えてもいいのか?
否!!

僕は諦めずに応募し続けた。
そしてこの春にリリースされた新アルバム「石の糸」のツアーに当選した。それも2か所。これまで当たらなかったのがウソのように。
僕はうれしさのあまり、3か月も前に有休の申請を出したくらいだ。
そして迎えた8月9日。
高松でのライブに初めて行ってきた。
僕は楽しみなイベントがあると、その日程が近づいてくれば近づくほど、もったいないような、まだ来てほしくないような気になってくる。
なんなら行きたくなくなってくるまである。
今回もそうだ。
今回なんて楽しみすぎて、前日の夜に「明日よまだ来るな!」というわけ分からないことを願っていたくらい。
そのくらい楽しみだったのだ。
そして迎えた当日。
僕は開場の4時間前に到着してしまう。まったくもって何かやる気持ちになれずただ車でじっとしていた。
出発前、そして道中の車内でも軽10回以上チケットを確認した。
チケットも「もうええやろ」という顔していた。
そして開場と同時に中に入る。

席につく。
思ってたよりずっと近くていい席だった。
僕は、映画などでもそうなのだが、どんなに面白い映画でも、いや面白い映画であればあるほど「早く終わらないかな」という変な気持ちが出てくる。
めちゃくちゃ面白いし、ハラハラドキドキしながらのめり込んでいる。しかしながら心の奥底では、「まだかな?早く出たいな」という意味不明な気持ちが出てくるのだ。
天邪鬼なのかな?
自分でもこの辺の心理はよくわからない。
そして今回はというと、
ライブが始まる前に帰りたくなっていた。
早く見たいような見たくないような、何とも言えない気持ちというかそんな感じではなく、
帰りたくなっていた。
僕の中のカネコアヤノが大きくなりすぎて、これまでにない程感情が大きく揺れ動いた結果そうなっていた。
そんな感情わかる人いるかな?
ちなみにライブはめっちゃよかった。
最高という言葉しか出なかったし。すぐにまた行きたいと思った。
初めての生カネコアヤノは完全に天使だった。
歌がうまいとか声がいいとか歌詞がいいとかそんな彼女のいいところを全部置き去りにするほどの存在感があった。
僕の人生の大きな出来事に入ると思う。
またライブに行く。
行けるライブには全て行きたい。
そのくらい僕の人生の中に食い込んで離れない。
これから行くライブではどんな感情に出会えるだろうか。
いまから楽しみだ。