『海が聞こえる』
というタイトルのジブリ作品があるのをご存知だろうか。
もののけ姫やラピュタやトトロなどの国民的人気作品しかないスタジオジブリの作品たち。
そのなかにひっそりと存在する『海が聞こえる』。
ジブリでは珍しく人間しか出てこない作品だ。
舞台は高知県。
高知の高校生たちの人間模様を描いた異色のジブリ作品である。
僕は大学で高知に来た時に先輩からDVDを借りて初めて観た。
その時の感想は「うん。まぁよかったかな。」というくらいの感じ。
強烈に印象に残ることのない作品だった。
ただ、ヒロインの武藤里伽子という女の子のことは妙に心に残っていた。
「ちょっと好きかもしれない」というくらいの小さな感想である。
もう二度と見る機会はないだろうと思っていたが、僕は今年『海が聞こえる』と、いや武藤里伽子と再会することになる。
『海が聞こえる』は、昨年渋谷にてリバイバル上映をされた際、連日満席の異例のヒットとなった。
その大きな反響から、今年の7月4日から3週間限定で全国172の映画館で上映されることが決まったのだ。
この作品が誕生してから30年以上経過してようやく日の目を浴びたような格好だ。
僕は日曜に高知市にある『キネマM』という映画館で鑑賞してきた。
何度かこの映画館には来ているが、これまでで一番人が入っていた。
高知県民の関心も非常に高いんだと感じた。
そして最後まで鑑賞した感想だが、
めっちゃよかった。
もうね
めっちゃよかった。
ネタバレになるので詳しいことは書かない。
しかし、すごくよかった。
登場人物全員が、自分の気持ちを多く語ったり大袈裟な表現はない。
しかし、口には出さなくても伝わってくる細やかな描写がいい。
ていうか里伽子がいい。
昔見た時は、「なんて性格の悪い女だ」くらいにしか思ってなかったから驚いた。
すげーいいじゃないか。
たまらなくいい。
そして『海が聞こえる』は1990年代前半という時代設定なのだが、登場人物たちのファッションがとてもいい。
普通にお洒落。
ファッションも見どころの一つだ。
そして、そして、当時の高知の街並みがたっぷりと描かれていて、高知県民にとっては大変エモい作品となっている。
つまりはとてもいい作品だということ。
僕には結構刺さった。
特にエンドロールがよかった。
『海が聞こえる』は氷室冴子さんが書かれた小説を原作としている。
その小説の挿絵を担当しているのが近藤さんという方だ。
その近藤さんのイラストがエンドロールで流れてくるのだが、これがもうエモいのなんのって。
たまらない。
このエンドロールに打ちのめされた僕は、帰りに本屋さんで小説を買ってしまっていた。

この挑戦的で気の強そうな女の子を見てほしい。
彼女こそが武藤里伽子である。
非常に好み。
そこはかとなく漂う地雷感というか。
メンヘラ感というか。
尖りに尖っている様子が見て取れる。
これがいい。
やはり武藤里伽子がいい。
そして知らなかったのだが、『海が聞こえる』は小説では続きがあるらしい。

これには興奮してしまった。
すっかり大人になってしまった武藤さんには少しだけ寂しさを感じたが、あの物語の続きが読めるということに興奮を抑えられない。
『海が聞こえる』
おススメです。
是非映画館で見てきてください。
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