むらよし農園

面白いことが書ければと。

盲腸になった話

先月のこと。

 

夜中の3時に目が覚める。

中途覚醒はしょっちゅうのことなので、特に気にせず寝直そうとしたがどうもおかしい。

なんというか、違和感がある。

 

違和感というか・・・

 

寒いのだ。

 

寒いなんてもんじゃない。

 

エアコンつけているわけでもなく、むしろ蒸し暑いくらいの気温だ。

それが寒くて仕方ない。

 

布団の中に潜り込んで震えるほどだ。

 

何だこれは。

僕はコロナワクチンを打った日の夜を思い出していた。

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あの日くらいのしんどさだ。

 

嫌な予感に怯えながら、気が付いたら朝になっていた。

 

朝になり、寒気は消えていた。

 

なんだったのだろう。

そう思い身支度しようとするも、体に力が入らない。

 

倦怠感があり思うように準備できない。

 

そしてお腹が痛い。

 

決して嘔吐や下痢があるわけではないが、ものすごくお腹が痛いのだ。

 

絶対になんか変なことになってる確信はあったが仕事へ。(病院いけ)

 

職場に着いてももちろんお腹は痛いまま。

 

なんとか仕事をしようとするも、1ミリも集中できない。

なぜならお腹が痛いから。

 

しばらく耐えていた僕を見かねた先輩が上司を連れてきた。

 

「黙って病院へ行け!」

 

阿部寛ばりのテンションで言われ、諦めて病院へ。

 

運転もめちゃしんどかった。

 

 

病院へついて問診票を記入して診察室へ入る。

 

お医者さんはおじいさんだ。

 

ベッドに仰向けになるように言われて横になる。

 

「今からお腹の何カ所かを押さえていくから、痛いとこあったら言うてな」

 

そう言っておじいさんはお腹を押さえ始めた。

 

色んな場所を押してくる。

正直、お腹が激痛の状態で押されてるのでどこも痛い。

 

しかし、その中でも特に痛い場所があり、「めっちゃ痛いです」と伝えた。

 

おじいさんは、すごく嬉しそうに「何?ここか?」とさらに押してきた。

 

「痛い痛い痛い・・・」という僕の苦しそうな表情を見て満足そうにおじいさんは別の箇所を押し始めた。

 

そして、一通り押し終わったおじいさんは僕に、「確認やけど、痛いのはここやんな?」と言ってまた痛いところを押してきた。

 

「痛い痛い痛い・・・」という僕を見て満足そうに医者は僕に一言、

 

 

「盲腸と違うわ」

 

と告げた。

 

キョトンとしてる僕におじいさんは、「盲腸の場合はな?ここが痛いねん。でもお兄さんが痛いのはここやろ?」

 

とまた僕の痛い箇所を押してきた。

 

「痛い痛い痛い・・・」という僕の言葉を遮るように、

 

「痛い場所が違うから多分盲腸じゃないと思う。でも痛みが強そうだから念のため血液検査するか」

 

と言った。

 

あまりの展開に脳みそが付いていけなくなりそうだったが、なんとか立ち上がって採血を受けた。

 

血液検査を終えて再び診察室に入る。

 

そこには随分と渋い顔をしているおじいさん医者が。

 

おじいさんの前に座ると、おじいさんは気まずそうに

 

「あのね?白血球の数値がな、基準値を超えていたら何らかの異常が出てるってことなんよ。お兄さんはな?白血球の数値が基準値の3倍やわ」

 

「ほんで、炎症を表す数値なんやけど、これも基準値を超えてたら体内で何らかの炎症が起きてるってことやねん。お兄さんの炎症の数値な、基準値の10倍や」

 

「まぁ盲腸の痛む箇所は結構移動することもあるしな。思った通り盲腸で間違いないやろ」

 

そう告げて、目も合わさずに診察を無理やり終わらせてきた。

 

一体これまでのやりとりのどこに『思った通り』の部分があったのかは謎である。

 

手術をすると思ってビビっていた僕におじいさんは、最近は薬での治療が一般的だと教えてくれた。

 

一切僕の目を見ずに。

 

 

こんな感じで僕は盲腸の診断を受け、薬を飲んで治療していくことになった。

 

まるまる3日間寝込み、全く何も出来ずに体を休めることにだけ集中し、無事に快方へと向かっていった。

 

 

盲腸はいつ何時なるか分からないし、原因ははっきりは分からないらしい。

 

疲労やストレスが引き金になることも十分にあるそうだ。

 

納得である。

 

疲れとストレスは溜めすぎないことをおススメします。

お気をつけて。