日曜市は季節の野菜をはじめとした、高知の農産物の宝庫である。
日曜市を歩けば、今高知県の農家さんが何を作っているのか、そして今の旬が丸わかりだ。
そして農産物だけでなく、干物やしらすなどの海産物も多い。
他にも、いも天、うどん、コーヒーに観葉植物・・・なんでもあるのが日曜市のいいところ。
そんな欲しいものは何でも手に入る(嘘)日曜市で、この度新しい包丁を手にいれた。
まさかトマト買いに行って包丁買うことになるとは。
金曜日、後輩が声をかけてきた。
「日曜市行きません?」
僕はもともと日曜市に行く予定だったので、快く了解した。
話を聞くと、後輩はどうしてもブリを捌いてみたいという。
ちょっと意味が分からないので詳しく話を聞く。
どうしてもブリを捌きたいという夢を叶えるために包丁を買いに日曜市に行くそうだ。
ますます分からない。
だが、面白そうだ。行ってみよう。
向かったのは日曜市の真ん中辺にある『土佐雅』さん。
ここは僕が以前包丁を研いだ打刃物屋さんだ。
相変わらずたくさんの包丁が並び、テンションが上がる。
ここでも後輩はブリを捌きたいという夢を店主に打ち明けていた。
店主も少し引いてたが、とても親身になって色々教えていただいたおかげで、後輩もとてもいい包丁を選ぶことが出来た。
それを見ていた僕はついつい欲しくなってしまい、目についたちょうどのサイズのやつを手に取ってみた。
かっこいいなと思い眺めていると、店主が教えてくれた。
「それは『イカサキ包丁』というやつですよ。」
え?イカサキ包丁?
僕はその名前の聞き覚えがあった。
記憶をたどること30秒。
鮮明に思い出された。
それは、昔見た『世界は欲しいモノにあふれている』で紹介されていたものだった。
僕はこの番組が好きでよく見ていた。
なかでもこの回は面白く、僕も色んな魚やイカを捌きたいと思ったものだ。
それが目の前に。
ください。
そう言って僕はイカサキ包丁を手に入れた。
手入れをしないとすぐに錆びるし、定期的な研ぎも必要だ。
価格は5500円と、決して安くはない。
だがいい。
この包丁で楽しめる時間は計り知れない。
僕は包丁でなく、新たな趣味と新たな自分を手に入れたのだ。
早くこれで魚を捌こう。
無理かもしれないけどブリいってみようかな。