むらよし農園

面白いことが書ければと。

雪の一日

12月23日早朝5時半。

 

目覚めて最初に感じたのは

 

「なんか今日はあんま寒くないな」

 

というものだった。

 

かなり寒くなるという予報は出てたので、覚悟はしていたがそうでもなかった。

そのまま朝食の準備をし、外が少し明るくなってきたのでカーテンを開けてみる。

 

「えぇぇぇーーーー!!」

 

ビックリしすぎて大きな声を出してしまった。大人なのに。

 

そこにはこれまで見たことがないほど雪が積もった街があった。

 

僕は島生まれ島育ちなので、雪を見たことがないまま大きくなったので、いまだに雪が降るとテンション上がるのだが、昨日はさすがに少し怖くなった。

 

これ出社できる?

 

とりあえず急いで準備をし、いつもより早い時間に車に向かった。

車はこんなだった。

 

今度は絶句した。

 

雪を手で払えるだけ払い、車に乗り込む。

ドアを開けた瞬間に車に大量に雪が入ってきた。

雪初心者丸出しだ。

 

暖房をつけてしばらくすると、ようやくフロントガラスの視界がひらけてきた。

 

車を走らせてすぐに異変に気付く。

 

普段ならまだ車通りの少ない時間のはずなのにめちゃめちゃ進みが遅い。

 

みんな時速20キロくらいのスピードで走ってるから当たり前か。

雪になれていない高知県民は、僕を含めてほとんどがノーマルタイヤだと思う。

 

そのため、慎重な運転をする車ばかり。

 

また、吹雪いてることと、車線が全然見えないという状況から、2車線の道路が1車線になったりしていた。

 

パトカーや救急車のサイレンが常に鳴り響いている。

今までで一番緊張感のある出勤になった。

 

結果いつもの倍以上の時間がかかってしまった。

 

そんな道路状況なので、仕事が始まっても半分くらいの社員が出勤できていなかった。

 

慣れてなさすぎだろ。

 

高速は止まり、公共交通機関もストップし、国道すら通行止めになった。

観測史上最大の降雪を記録した高知市。

町全体が雪に翻弄されている感じがした。

 

僕はというと、全然用事もない癖に意味もなく何度も外に出ては雪を眺めて、手に取って、靴で踏みしめた。

 

 

そんなこんなで仕事を早めに切り上げた僕はサウナへ向かった。

限界ギリギリまで体を熱し、水風呂スパッとかまし、バッチバチに吹雪いてる中の外気浴は言葉に出来ない気持ちよさがあった。

 

全裸の体に雪を浴びながら恍惚の表情を見せてる僕はきっと変態だ。

 

 

家に帰り、寝る前に外を見る。

 

まるで雪国のような光景をしばらく眺めてから布団に入った。

 

僕はまだ雪に慣れていない。

でも、雪に心をときめかせてしまう自分もちょっと好きだ。