町中華が好きだ。
近所にも、市外にも馴染みの町中華がある。
ラーメンや餃子、焼きめしに焼きそば、レバニラにエビチリなどなど、魅惑のメニューが目白押しだ。
そんななか、町中華に結構な確率でラインナップされてる異色のメニューがある。
それは『オムライス』だ。
オムライスといえば洋食のイメージだが、僕の行く町中華には必ずあるし、どの店でも人気メニューだ。
僕はこの、町中華のオムライスが大好きなのだ。
これは僕が通う『吉野園』のオムライス。
味噌カツラーメンも美味しいこの店は、オムライスも美味しい。
町中華のオムライスの特徴として、この卵の薄さがあげられる。
いまや、どの洋食店もカフェも揃いも揃ってふわふわのトロトロの卵だ。
もちろんそれも美味しいのだけれども、やはり僕はオールドスクールな薄焼きの巻き込み型が好きである。
もちろんかかっているのはケチャップがいい。
デミグラスだドミグラスのは美味しけれども、やっぱりしゃらくせぇのである。
そこいくと吉野園のオムライスは最高だ。
薄焼き卵でくるんだ上にケチャップ。
かけすぎてなく、彩り程度に抑えてるのも好印象。それでなくてもチキンライスの味は濃いのだから。
そしてなによりもイケてるのはスプーンでなくレンゲ。
レンゲで食べるってのがクールなんだ。
レンゲで食べるオムライスは町中華の味の全てが詰まってるよね。
妙に味が濃くて、妙にチキンライスがオイリーで、チキンライスといいつつ豚肉だったり、福神漬けが合って、付け合わせのスープが中華スープで。
そんな町中華のオムライス。
またひとついいお店を見つけたので軽く紹介したい。
名店だが、親父さん一人で切り盛りしてるので、提供までになかなかの時間がかかる。
なので、辛抱強く待てる人か、開店と同時に入れる人しか食べることは出来ないお店。
今回は伏せるが、そのうちしっかり紹介しよう。
夕方6時半ごろ、まだうっすらしか暗くない時間に入店。
まずはこいつを
ビールをあおりつつメニューを眺めるのだ。
テーブルのべたべた感と油の匂いは町中華のつまみ。
キュッと飲んだらオムライスを頼もう。
透けてチキンライスが見えちゃうほどの薄焼き卵。
ちょっぴり破れてるのは、ライスの量が多いということで。
ここのはレンゲではなくスプーン。
それも取っ手が長くなってるタイプな。
これはこれでいのよ。
ここのチキンライスはホントに何か非合法のものが入ってるかというくらい中毒性がある。
妙に味が濃いってだけではない、妙なコクが抜群だ。
なんとも言えないが、この手の見た目の美味しいオムライスの味を想像してもらえたら分かりやすいだろう。
ビールとの相性も最高だ。
食べたくなってきたでしょ?町中華のオムライスが。
食べてきなさい。美味しいから。
完食して外に出ると、涼しい風が吹いていた。
酔い冷ましに歩いても汗をかかないくらいに。
うれしいような寂しいような秋の入り口。
さぁ次はどこでオムライス食べようか。