むらよし農園

面白いことが書ければと。

令和の山口六平太に僕はなる

山口六平太なる人物をご存知だろうか?

 

『ビッグコミック』にて連載された「総務部総務課山口六平太」という漫画の主人公だ。

その卓越した問題解決能力と調停力を、総務というポジションで存分に発揮する物語である。飄々とした風貌と、のんびりとした性格ながら、どんな困難なケースも、気が付けば問題が解決してるというスーパーネゴシエーター山口六平太。

 

総務部総務課山口六平太 - Wikipedia

 

僕は会社内の厄介ごとやクレームの処理に回されることが多い。

そのたびに自分に言い聞かせる。

「僕は山口六平太だ。こんなこと屁でもないよ。」

 

事実少しずつ近づいてきてるはず・・・

 

 

この日は美味しい昼ご飯を食べて、なんだかいいことがありそうだと思っていると・・・

 

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職場に一本の電話が。

 

本日はリモートワークのため社員はいつもの5分の1しかいない。

当然僕に回ってくる。

 

「突然の連絡で申し訳ありません。これからそちらに伺いたいと思っているので、お話しする時間を作っていただけますか?できれば責任ある立場の方をお願いいたします。」

 

穏やかだが、頑として譲らないという決意に満ちた声をしていた。

 

こういう方からのクレームはかなり恐い。

難癖や屁理屈なんかではなく、真っ当な正論ストレート。おそらくだが非が会社にあることを分かり切っているのだろう。

 

 

上司も他にいるが、残っている社員で検討した結果、僕が相手をすることになった。

 

 

 

30分後にその方は来た。

 

きちんとした身なりの方だが、雰囲気で分かる。

めっちゃ怒ってる。

 

 

あいさつと自己紹介。

僕の役職や若さを見て、あからさまに不満そうだった。

 

話が始まる。

冒頭からがっつりと、会社のミスによる損害を訴えてきた。

しっかりと聞いていくうちに僕の背中に冷たい汗が流れてくる。

 

 

どうやらうちの会社が109対0で悪いぞ。

 

 

相手の口調も少し熱を帯びてくる。

 

しかし焦ってはいけない。

ここで焦ったり、反論したりするのは意味がない。

黙って相手の話を聞くしか他にない。

それも出来るだけ親身になって。

 

 

話し合いが30分を超えると、相手の不満は少し落ち着いてきて、『どうしたいのか』という方向にシフトしていく。

もちろんわが社に非がある。我が社にというか同僚の個人プレーにだが。

 

そこで相手からいくつかの提案がある。

 

完全にめんどくさいやつ。

 

こっちが悪いのは重々分かっているが、最初に出された相手の要求はとてもじゃないが呑めない内容であった。

 

これはしんどいね~

 

そう思いながらも、粘り強く違う方向へと誘導をはかる。

1時間が経過。

 

少しずつ戦況は変わってきている。

 

1時間半が経過。

 

 

ここらで勝負を仕掛ける。

 

相手の最初の要求がいかに効率が悪く、お互いにとって、特に相手にとっても不利益であることを伝えて、新しい方向を見せる。

 

最初に出された案をAとして、僕の出した案をBとする。

ちなみに僕の出したB案は会社にとって痛くもかゆくもなく、僕が頭を下げ、ミスった同僚を叱るだけだ。

他にも細かいことはあるがおおむねこんなもん。

 

 

ただ単にBを勧めるのではなく、「こっちが悪いんで、今回はB案でいかせていただきます」というように、まるでB案の方がこっちにとっても痛手で、そっちに得のあるように思わせるのだ。

 

そして最終的に向こうは「B案でやってもらってもいいですか?」と言ってくれたことでゲームセット。

 

まったくもって痛くもない案を、今回ばかりはこれで・・・とさも凄いことのように押し切ったのが勝因だろう。

 

最終的にはその方と、世間話の延長戦に入るくらいフレンドリーな空気で終わることが出来た。

 

 

これで、山口六平太にまた一歩近づけたかな。

 

まだまだスキルアップして、このくらいのクレーム処理なら1時間切れる男になりたいな。(何を目指しているのか)

 

 

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