髪を切ってもらうのって美容室?理容室?
僕は基本的に理容室。
美容室に浮気をしたこともあるけど、根っから田舎者の僕には居心地が悪かったんだな。
今通ってる理容室はもう10年以上になる。
そして僕にとっては髪を切る場所は全て「床屋」と呼んでいる。
床屋の「床」という言葉が一見すると性的な意味を持つということから、あまりテレビなどでは使われないらしい。
しかし、床屋という言葉の語源をさかのぼると、決してそういう意味はない。なので僕は親しみを込めて「床屋」と呼んでいる。
語源については以下のサイトに詳しい。
床屋の語源。理髪店をなぜ床屋と呼ぶのか?床屋の由来を調べたよ (from.tv)
ちなみにベトナムにある違法風俗の一種、通称「4発屋(ヨンパツヤ)」は、一見すると理髪店だ。だが、髪を切ったりシャンプーをしてくれる女性を指名できるし、その後、奥の部屋でしっぽりキメることもできる。
散髪(サンパツ)した後に(イッパツ)出来るから4発屋なのだ。
なかなか洒落が効いてるよね。
仕事終わりの17時。床屋の最後の時間を予約していたので急いで向かう。
時間ギリギリに到着すると、先客が仕上げにかかっていた。
僕は席に案内され、先にシャンプーをしてもらう。
隣のおじさんは僕がシャンプーしている間ずっと、マシンガントークを繰り広げていた。
よく喋るなーと思っていた。
でもとても楽しそうに喋るので、きっとこの髪を切る時間が好きなんだなと、ほっこりした気持ちで聞いていた。
分かる。
分かるよ。
初めて行く店ならともかく、馴染みの床屋ってのは妙に居心地がいいよね。
ソファで待ってる間に雑誌読むのも、髪切りながら話すのも。
床屋なんて、どんなに頻繁に行く人でも一か月に1回くらいじゃない?僕はひと月半くらいの間隔で行っている。
一か月半ぶりに会い、髪型の希望を伝えて、あとは切り終わるまでダラダラ喋っている。
正直そんなに話すことはないし、毎回同じようなことしか喋ってないんだけどなんか好きだよね。
髪切ってるときに話したくないって人もいると思うけど、僕は沈黙のほうが耐えられないかも。
あと、たまにしか会わないっていうか散髪の時しか会わないからか、結構色んなことを素直に相談できる。
まぁ主に薄毛の話とかね。
あと、すごいお洒落な人だから家具の話やファッションの話も聞ける兄貴みたいな感じだ。
今日はヘアオイルの相談してた(やかましいわ)
なので、おじさんが楽しそうに話すのもすごくよく分かる。
おじさんは髪を切り終わり、シャンプーを終えて立ち上がった。
「いやーさっぱりした」
心から気持ちよさそうに言っている。
そしてお会計を終えて、
「ありがとう」
といって出ていk・・・
出ていかない。
入り口でまだ喋っている。
店主はもう僕の髪を切り始めている。
僕の髪を切りながら、入り口のおじさんと話している。
よっぽど言っておかなければならないことでもあったのかな?
「今日マルハンとヘイワどっちにしようかね?」
いや、パチンコかい。
好きなほうに行ったらいいやんか。
おもしろくて思わずにっこりしてしまう。
店主も「いやーどこ行っても負けるんですから家に近い方にしたらどうです?」
といい返しをしている。
さらにおじさんは
「最近マルハン人が少ないきね~あと木曜日は出んきよ。」
と続ける。
店主も
「ほら、それやったら早く帰ったほうがいいですよ」とアドバイス。
すると
「でもな~帰ってもやることもないし暇やきね~」
と少し寂しげなトーンで言ってきた。
そうか。
やっぱり寂しいんだな。
元気いっぱいに見えるおじさん。外に停めてあるキラキラの高級車からも、お金を持ってることがよく分かる。
でも家に帰るのは寂しいのかな。独身なのかな。
そう考えるとちょっぴりセンチに。
その後おじさんはそのまま5分話し続けて、「また来月に」と言って帰っていった。
毎月切ってるんかい!
どうりで5回くらい見たことあるわけだよ。
帰っていくおじさんの、刈り上げられたばかりの後頭部が寂し気に見えた。
僕もいつかはあぁいう風になるのかな。
いや、もうなってるのかもな。
次に切るのは4月か。
その時は何話そっかな。
いやーさっぱりした。