むらよし農園

面白いことが書ければと。

古着屋デビューの話

5時起床。

 

やはり仕事があると早く起きれるな。

 

お湯を沸かし、ティーポットにハーブを入れてみる。

 

もちろんギンギンのハッピーハーブ。

思ったよりずっと飲みやすいし、普通。

もっとブリブリ来る感じだと思ってたので残念。

でもそのままピザトースト作ってがっつりマンチキメて出社。

まだまだ外は真っ暗だ。

 

 

特にこれと言ってなにもなかったので。

 

 

僕の大好きなお笑い芸人、ダイアンのユースケが、これまた大好きな雑誌『POPEYE』のWebマガジンに一か月限定でコラムを掲載することになったそうだ。

ダイアン・ユースケさんによる週一限定コラム。初回テーマは「古着屋 セルフリバイバル」。 | POPEYE Web (popeyemagazine.jp)

 

 

そしてその第一回のテーマは「古着」だったので僕も古着について書いてみようと思う。

 

 

 

 

初めて古着屋に行ったのは中学2年生の頃。

 

中一の夏くらいから少しずつファッションに興味を持ち始め、先輩たちの真似をしてみたり兄貴の服を無断でパクったりしていた。

 

友人の家に集まっては、『GETON!』や『Smart』などを読みながらあれが欲しいこれが欲しいとこぼしてた。

 

しかし中学生がそんなブランドの服をほいほい変えるわけもないし、怪しい雑誌に載ってる格安のコピー品を買うほど落ちぶれたくもなかった僕らは数少ない1軍の服を登板させ続けていた。

 

なのでみんなで遊びに行くときもみんないつも同じ格好だった。

 

 

そのうち、古着屋なるものの存在を知る。

 

最初は中古品を着るのは嫌だなとか、訳アリの服ばっかりじゃないの?といったネガティブイメージが先行する。

 

しかしどうも違うらしい。

 

古着屋に通う人はみんなお洒落だそうじゃないか。

 

しかも安い掘り出し物もあるらしい。

これは行くしかない。

 

友人たちと計画を立てて、島に唯一の古着屋に足を踏み入れる。

 

 

最初の感想は

 

「なんだこの甘ったるい匂いは?」

 

 

古着屋特有の甘いお香の匂いを初めて嗅いだ僕らは困惑していた。

 

店内の暗さと、怪しいレゲェが流れる雰囲気にやられ、何かヤバい煙を焚いてるんじゃないかと本気で思った。

 

 

帰りたい気持ちを抑えて店内をうろつく。

 

似たような見た目のチェックのシャツがズラッと並ぶ。

 

上には古いスポーツジャージのセットアップが飾られている。

 

何をどう見ていいのか分からない。

ブランドも何か分からないし、手に取った服が格好いいのかすら分からなくなってくる。

周りの人々がみんなお洒落に見えるし、自分の芋加減が際立ってしまってるような強烈な居心地の悪さを感じてしまった。

 

友人も同じように委縮してしまい、早く出たそうにしている。

 

全身を『STUSSY』で固めることしか考えたことない僕らにとってはハードルが高すぎたんだと思う。

 

 

 

何も買わずに出るのは少し恥ずかしいような気がして、お店で焚かれているものと同じお香を買ってお店を出た。

 

なんでこんなもの買ってしまったんだろ。

 

 

初めての古着屋体験はこうして終わった。

 

散々な気持ちで家に帰ったが、寝る時になり、妙な高揚感を覚えた。

 

 

「僕は古着屋に行ったんだぞ」

 

 

童貞を捨てたばりの達成感につつまれ、頭の中で古着コーディネートをしながら就寝した。

 

 

それからはしばらく通うことになる。

 

徐々にだが古着の着こなしを分かり始め、店員さんとも会話が出来るようになった。

 

 

大学を卒業するまでは定期的に古着屋に通っていた。

 

 

しばらく足が遠のいたが

 

先日久しぶりに古着屋に行ってみた。

特に何か欲しいアイテムがあったわけではないがなんとなく。

 

久しぶりに訪れた古着屋は相変わらず古着屋だった。2軒行ったが、そのどちらも古着屋としか言いようがなかった。

 

どの店も同じ匂いがするのはなぜだろう。

どの店も置いてるネルシャツ全部同じなの何でだろう。

 

行かなくなってもう7,8年経つが古着屋ってのは全く変わらないんだな。

 

久しぶりに行くと昔の新鮮な気持ちを思い出した。

 

自分を格好よく見せたいとばかり考えていたあの時期を。

 

 

またいっちょ格好つけてみるか。