むらよし農園

面白いことが書ければと。

キャンプにおけるマナーとかモラルとか ※キャンパー必見

『何しとんじゃコラーーー!!』















朝5時30分の海岸に、腹から絞り出したようなおじさんの怒声が響き渡る。




今週のお題「自由研究」


大雨の予報はあったけど、こんなのは予想してなかった。







タープの下でオープンエアーを楽しみながらコットで寝たのが3人。







シェルターのなかでコット寝をしたのが一人。




今回のビーチには、まわりに誰もいなく(こんな天気では誰もしない)
開放的なキャンプを楽しんでいた。








そんなキャンプに見知らぬおじさんがスパイスを加えてきた。








今回1番の被害者はシェルターでコット寝していたA君だ。







朝5時半に爆睡していた僕らはとんでもないボリュームの怒声によって起こされた。








怒声はシェルターから聞こえてきた。








A君は寝ていたところ、シェルターに不法侵入されたあげくにコット(キャンプ用のベッド)をひっくり返され、何を言ってるか分からない程のテンションの罵声を浴びせられた。



見知らぬおじさんは、続けざまに食器やランタンなどがのっていたテーブルをちゃぶ台返しし始めた。









僕らは全員が思っていた。








『誰だろう』








めちゃめちゃに暴れて疲れの見え始めたおじさんに話を聞くと、襲撃事件の全貌が見えてきた。














おじさんはどうやら、近所に住む自然を愛するナイスガイだそうだ。







このビーチのゴミ拾いや公衆トイレの清掃を毎日行っているらしい。








ボランティアで。










今日もいつものようにゴミ拾いをしていたところ、トイレの前に45リットルのゴミ袋にパンパンに詰められた、全く分別されてないゴミが置かれていたそうだ。







そのあまりにモラルに欠けた愚民の置き土産に憤慨していたところ、我々のキャンプサイトを発見し、『あいつらに違いない』とプッツン大爆発したということらしい。










確かにビーチには僕らしか泊まっていなかったが、もちろん僕らではない。


僕らはしっかりと缶、ペットボトルなどを分別して大きな袋に入れてシェルターにくくりつけていた。





おそらく昨日バーベキューしていた地元民らしき一行の置き土産だろう。










おじさんはこのようなことを大声&早口でまくしたててきた。








僕らは自分達のゴミではないということを一所懸命に説明した。








おじさんは頑として認めない。



『お前らみたいなもんにこの海は汚され続けてきたんじゃ』






うん。





どうにかしてまずは僕らのゴミでないことを分かってもらわないと。









潔白を証明するために
おじさんと一緒に、捨てられていたゴミ袋を開けて、中身を検証することにした。









バーベキューの残骸やビール缶。

お茶のペットボトルに混じって子ども用のお菓子やオモチャ、水鉄砲などが入っていた。







こちとら純度100%全員おじさんのパーティである









このオモチャが決め手となり、このゴミ袋が我々のものではないということは分かってもらえた。










さぁ次はこっちのターンだ。










いくら怒っていたとはいえ、勝手にテントを開けてベッドを倒し、テーブルを倒し、罵声を浴びせるのはやり過ぎ以外のなにものでもない!











一言でも謝ってもらいたいと思い











『最初の行為や、さっきまでの罵声はさすがにひどくないですか?』






と言ってみた。











あからさまに狼狽し、『やっちまった』感ありありのおじさんは





ゴミ袋をつかみ、











『お前らが責任もって捨てろ!』









と叫び投げつけて帰っていった。
















怒りとか諸々通り越してとても悲しい気持ちになった。














誰がおじさんをこんな風にしてしまったんだろう?





毎日ボランティアでゴミ拾いとトイレ掃除をするくらいだから悪い人ではないのだろう











しかし毎日毎日いくら拾っても汚されることにうんざりしていたのではないだろうか?













我が物顔で騒いではゴミを置いて帰るキャンパーに日頃から憎々しく思っていたに違いない。











事実そういうキャンパーも多いと思う。








バーベキューだけの日帰りの人達は特にそういうことが多い印象だ。







自分の生まれ育った海を愛し、毎日毎日ゴミを拾い続けるおじさんには頭が下がる思いだ。(許したとは言ってない)








おじさんの行為は下手すると警察を呼ばれてもおかしくない行為である。





呼ばなかった我々が恐らくマイノリティ










しかし、このようなことは全国のキャンプ場で起こってるんじゃないの?



それくらいキャンパーのモラルは地に堕ちてるんじゃないの?









僕は絶対にそんなことしないし、僕のまわりのキャンパーも そんな人は一人もいない。



今後もホントに気を付けよう。






おじさんに押し付けられたゴミは責任?を持って持ち帰り、きちんと分別して捨てた。







どこの誰か分からない人間のゴミを触るなんてコロナ関係なく気持ち悪い。



平気でゴミを放置するような人間のゴミならなおさらだ。












それにしてもおじさんは今日どんな気持ちで1日を過ごすのだろう?



おじさんの最後の表情には深い哀愁が漂っていた。







おじさんにあんな顔をさせてしまって少し申し訳ない気持ちになった(許したとは言ってない)






まぁ済んだことはもういい!






おじさんのおかげで早起きできたので早めの撤収。


問題はこの泥まみれのギアの後処理なんだよな~





さぁ帰ろう。


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